イスラエル攻撃受け、イランが米国との核協議を「無意味」と批判
イスラエル攻撃受け、イランが米国との核協議を「無意味」と批判
イスラエルによるイランへの過去最大規模とされる軍事攻撃の直後、イランが米国との核協議は「無意味」だと強く批判しました。中東情勢だけでなく、テヘランの核開発問題をめぐる外交プロセスにも大きな影響が出る可能性があります。
- イスラエルの大規模攻撃を受け、イランが米国との核対話を否定的に評価
- イランは米国が攻撃を支援したと主張、米国は関与を否定
- マスカットで予定されていた米イラン核協議第6ラウンドの実施が不透明に
イラン外務省「対話は無意味になった」
イランは金曜日、テヘランの核計画をめぐる米国との対話は、イスラエルによる大規模攻撃を受けて「無意味になった」と述べました。イスラエルは長年にわたる宿敵とされており、今回の攻撃は「これまでで最大規模」とされています。
イランのタスニム通信によると、外務省のエスメール・バガイー報道官は、米国を強く批判しました。バガイー氏は、相手側である米国が「対話を無意味にするやり方で行動した」と述べ、交渉を掲げながら、イスラエルにイラン領土への攻撃を許す形で「役割分担」をしていると主張しました。
さらに同氏は、イスラエルが外交プロセスに影響力を行使することに「成功した」としたうえで、今回の攻撃はワシントンの「許可なしには起こり得なかった」と述べ、米国の関与を強く示唆しました。
米国は関与を否定、協議継続を呼びかけ
これに対し米国は、イスラエルによる攻撃への関与や共謀を否定しています。イランが米国の関与を非難したことを受け、米側は国連安全保障理事会の場で、そうした主張を退ける立場を示しました。
同時に米国は、イランに対して核計画をめぐる交渉に応じるよう呼びかけています。国連の場で米国は、イランにとって核問題を交渉のテーブルで扱うことが「賢明」だと伝えたとされ、緊張が高まるなかでも外交的な解決の道を模索する姿勢を示しました。
マスカットでの第6ラウンド協議は不透明に
米国とイランの核協議第6ラウンドは、日曜日にオマーンの首都マスカットで開催される予定となっていました。しかし、イスラエルの大規模攻撃とイラン側の強い反発を受け、この日程どおりに協議が行われるのかは不透明な状況です。
イランが「対話は無意味」とまで表現したことで、協議の場に出てくるのか、それとも日程が延期や中止となるのかが焦点となっています。もし協議が頓挫すれば、核問題をめぐる外交的な選択肢は一段と狭まりかねません。
核開発をめぐる主張の食い違い
イランは自国のウラン濃縮計画について、一貫して民生目的だと主張してきました。発電や医療などの平和利用のためであり、軍事利用を目指していないとしています。
これに対しイスラエルは、イランが核兵器の開発を密かに進めていると非難し、強い警戒感を示してきました。今回の軍事攻撃とイランの反応は、両者の認識のギャップが依然として大きいことを改めて印象づける形となっています。
米国のドナルド・トランプ大統領はロイター通信に対し、自身と側近はイスラエルの攻撃が行われることを事前に把握していたと語りました。そのうえで、なお合意の余地は残されているとの見方も示しており、強硬な軍事行動と外交交渉が複雑に絡み合っている現状が浮かび上がります。
中東と核問題の行方をどう見るか
今回のイラン側の発言は、核協議そのものの正当性や有効性に疑問符を投げかけるものです。交渉の片方の当事者が「無意味」とまで言い切る状況で、どこまで実質的な合意を積み上げられるのかが問われます。
同時に、軍事行動が外交プロセスにどのような影響を与えるのかという点も重要です。攻撃によって圧力を強めるアプローチが、対話の意欲をそぐのか、それとも譲歩を引き出すのか――その評価は簡単ではありません。
読者の皆さんにとっては、核問題や中東情勢のニュースを「遠い世界の話」としてではなく、エネルギー安全保障や国際秩序、武力と外交のバランスといった観点から、自分自身の問題として捉え直してみるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Iran says nuclear talks with U.S. 'meaningless' after Israel attack
cgtn.com








