デンバーで「No Kings」抗議デモ トランプ政権の移民政策に不満の声 video poster
米コロラド州デンバーで2025年6月14日、「No Kings(王はいらない)」と名付けられた抗議デモが開かれ、トランプ政権の移民政策に不満を抱く多くの人々が集まりました。アメリカの政治と移民政策をめぐる動きを、国際ニュースとして日本語で整理します。
デンバーで行われた「No Kings」抗議デモ
「No Kings」抗議デモは、コロラド州の州都デンバーで土曜日に行われ、会場には数千人規模の参加者が集まったとされています。人びとはプラカードを掲げるなどして、トランプ政権の政策への不満と懸念を表明しました。
現地の様子については、中国国際テレビ(CGTN)のヘンドリック・シブランド記者がレポートしており、集会は緊迫感だけでなく、どこか祝祭的なムードもあったと伝えられています。音楽や掛け声が飛び交うなかで、政治への異議申し立てを行うというスタイルが印象的です。
スローガン「No Kings」に込められた意味
今回の抗議行動の名称となった「No Kings」という言葉には、「政治権力を一人のリーダーに集中させるべきではない」というメッセージが込められていると受け止められます。アメリカ建国以来の理念の一つである「王を持たない国家」というイメージを重ね、行政権力のあり方を問い直そうとする意図がにじみます。
参加者たちは、選挙で選ばれたリーダーであっても、批判や監視の対象になりうる、という民主主義の原則をあらためて訴えた形です。こうした抗議の場は、アメリカ社会における政治参加の一つの方法として定着しつつあります。
背景にある移民取り締まりの強化
デモの直接のきっかけになったのは、全米で進められている移民への取り締まり強化です。トランプ政権は、国境管理や不法移民への対応を重視してきましたが、そのやり方やスピードに対して、さまざまな立場から賛否の声が上がってきました。
デンバーの「No Kings」抗議デモに参加した人々は、とくに移民コミュニティへの影響や、人権への配慮が十分なのかどうかを問題視しています。移民政策の議論は、安全保障や経済、地域社会のあり方など、多くの論点が絡み合う難しいテーマですが、だからこそ市民が声を上げる場が広がっているとも言えます。
地方都市デンバーから発せられたメッセージ
ワシントンD.C.から遠く離れたデンバーで行われた今回の抗議行動は、連邦レベルの政策であっても、地方都市の生活やコミュニティに直接影響するという現実を映し出しています。国の中心部だけでなく、地方からも政策への評価や不安が表明されている点は注目に値します。
移民を家族、同僚、隣人として身近に感じる人が多い地域ほど、移民政策への関心や危機感は強まりやすいとも考えられます。デンバーでの抗議デモは、そうした日常の実感に根ざした政治参加の一例と見ることができます。
「フェス」のような抗議が示すもの
シブランド記者の報告によると、今回の「No Kings」抗議デモは、従来の厳粛な抗議集会とは少し異なる、どこか「フェスティバル」のような雰囲気を帯びていたとされています。怒りや不安だけでなく、ユーモアや音楽、創意工夫を交えながらメッセージを発信するスタイルは、近年の市民運動でしばしば見られる特徴です。
こうした形式は、政治に距離を感じている人でも参加しやすくし、SNSなどを通じてメッセージが広がりやすいという側面があります。一方で、「楽しさ」と「政治の重さ」をどのように両立させるのかという問いも生まれます。デンバーのデモは、そのバランスを模索する場でもあったといえるでしょう。
アメリカ社会の分断と対話の可能性
トランプ政権の移民政策をめぐる議論は、アメリカ国内の分断を象徴するテーマのひとつです。厳格な取り締まりを支持する声もあれば、人道的な視点や多文化共生を重視する声もあります。今回の「No Kings」抗議デモは、その対立構図のなかで「異議申し立て」をする側の動きとして位置づけられます。
一方で、抗議行動そのものは、対立を深めるだけでなく、対話のきっかけにもなりえます。街頭に集まる人々の姿やメッセージが報じられることで、これまで移民政策に関心のなかった人が考えるきっかけを得たり、オンライン上で意見交換が生まれたりする可能性もあります。
日本からこのニュースをどう見るか
日本に住む私たちにとって、アメリカの移民政策や抗議デモは、一見すると遠い国の出来事に見えるかもしれません。しかし、人口減少や外国籍の労働者・留学生の増加が進む日本でも、移民や多文化共生をめぐる議論は避けて通れないテーマになりつつあります。
デンバーでの「No Kings」抗議デモは、「誰が、どのように政治に参加し、政策に異議を唱えるのか」という、民主主義の基本的な問いをあらためて投げかけています。国境を越えて共有できる課題として、アメリカの動きを冷静に追いかけることが、日本社会を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
Colorado residents protest Trump during Denver’s “No Kings” protest
cgtn.com








