米空母ニミッツが中東へ イランとイスラエル空爆応酬で米軍が存在感強化
米空母ニミッツが中東へ イランとイスラエル空爆応酬で米軍が存在感強化
イランとイスラエルの間で空からの応酬が激しくなっていたなか、米海軍の原子力空母「ニミッツ」が東南アジアを離れ、中東方面へ向かっていると報じられました。ベトナム寄港を取りやめてまで進路を変えた動きは、緊張が高まる中東情勢に米国がより深く関与する姿勢を示すものと受け止められました。
ベトナム寄港を中止し、マラッカ海峡からインド洋へ
今年6月のある月曜日、米空母ニミッツは東南アジア海域を離れ、ベトナム中部ダナンへの寄港計画を取りやめたことが明らかになりました。当初は6月19〜23日にかけてダナンを訪問し、20日には艦上でのレセプション(公式行事)が予定されていましたが、中止となりました。
ベトナム政府関係者は、米国大使館からの書簡を共有しました。そこには、米国防総省が「緊急の作戦上の必要性(emergent operational requirement)」を理由にイベントの中止を決めたと記されていたといいます。
船舶追跡サイト「Marine Traffic」によると、同日13時45分(グリニッジ標準時)時点でニミッツはマラッカ海峡を通過し、インド洋へ向かって航行していました。世界最大級の空母が、中東に近づくインド洋方面へ進路を取ったことで、米軍が中東での存在感をさらに高めるのではないかとの見方が広がりました。
イランとイスラエル、空爆の応酬は4日目に
ニミッツの動きが伝えられたのは、イランとイスラエルによる空爆の応酬が4日目に入ったタイミングでした。国際社会からは事態の沈静化を求める声が上がっていたものの、戦闘に収束の兆しは見えていませんでした。
イラン当局によると、これまでのイスラエルの空爆により、軍の高官や核科学者、一般市民を含む少なくとも224人が死亡したとされています。こうした攻撃に対する報復として、イラン側はイスラエルに向けて多数のミサイルを発射したと説明し、今後さらに「効果的で、標的を絞った、より壊滅的な作戦」を行うと警告しました。
米大使館関連施設も被害 米国の「関与」は一段と深く
イランによるミサイル攻撃は、米国にも無関係ではありません。米国のイスラエル駐在大使マイク・ハッカビー氏は、イランのミサイルの一部がテルアビブにある米国大使館が使用する建物に命中し、軽微な損傷が生じたと明らかにしました。
人的被害の有無など詳細は示されていませんが、米国の外交施設が攻撃の影響を受けたことで、ワシントンが同地域での抑止力と同盟国防衛を一段と重視するのは必至だとの見方が出ています。今回の空母派遣も、その一環とみることができました。
高まる中東リスクと日本への問い
米空母ニミッツの中東方面への移動は、単なる軍事的な動きにとどまらず、海上交通路の安全保障やエネルギー市場への不安とも直結します。日本を含む多くの国・地域にとって、中東の安定はエネルギー供給や貿易の面で重要な意味を持ちます。
イランとイスラエルの対立が長期化すれば、軍事的な偶発的衝突のリスクや、サイバー攻撃など新たな形の対立も懸念されます。国際社会がどのように緊張緩和に関与し得るのか、そして日本がどのような外交的役割を果たしうるのかが、あらためて問われています。
「世界のどこかで起きている戦闘」は、遠い出来事に見えがちです。しかし、米空母の進路変更というニュースは、現代の安全保障環境がいかに相互に結びつき、私たちの日常とも無関係ではないかを静かに示していると言えます。
Reference(s):
U.S. warship reported heading toward Mideast as Iran, Israel fight
cgtn.com








