ロサンゼルスで広がるJuneteenth:祝祭と向き合うアメリカ社会 video poster
アメリカで6月19日に祝われる「Juneteenth(ジュンティーンス)」は、1865年に最後の奴隷となっていたアフリカ系住民が自分たちの自由を知らされた日を記念する、重要な日です。今年、ロサンゼルスの歴史ある黒人コミュニティで行われたJuneteenthの祝祭は、全米で高まる緊張の中、「祝う」だけでなく今の社会を見つめ直す場にもなりました。
Juneteenthとは何を記念する日か
Juneteenthは、アメリカの奴隷制度の終わりを象徴する日として知られています。1865年6月19日、当時まだ奴隷状態に置かれていたアフリカ系の人びとが、自分たちがすでに法的には自由の身となっていたことを知らされた――その出来事を出発点とする記念日です。
そのためJuneteenthは、
- 奴隷制度からの解放を記憶する日
- アフリカ系コミュニティの歴史と文化を祝う日
- 「自由」と「平等」の意味を改めて問い直す日
として、全米各地で祝われるようになっています。
ロサンゼルスの歴史的黒人コミュニティでの祝祭
2025年6月19日、ロサンゼルスの歴史的に黒人住民が多く暮らしてきた地域でJuneteenthの行事が開かれ、記者のEdiz Tiyansan氏も現地でその様子を取材しました。
この地域でのJuneteenthは、伝統的には音楽や食事、家族や友人との集まりを通じて自由を祝う、明るい雰囲気のイベントとして受け継がれてきました。しかし今年は、会場の空気に「喜び」と同時に「緊張」と「問いかけ」が色濃く混ざっていたといわれます。
参加者にとって、そこは単なるお祭り広場ではなく、
- 自分たちのルーツと歴史を確認する場所
- 今も続く差別や格差について語り合う場所
- 次の世代に何を引き継ぐのかを考える場所
にもなっていました。
「お祭り」だけではない、全米の緊張感
今年のJuneteenthは、アメリカ社会で続くさまざまな「緊張」の中で迎えられました。人種差別や暴力、歴史教育をめぐる議論、政治的な分断などが重なり、社会全体に不安と対立が広がっていると指摘されています。
こうした背景のなかで、もともとは華やかな祝祭としての性格が強かったJuneteenthは、次第に「考える日」「声をあげる日」としての意味合いも増しています。
ロサンゼルスのイベントでも、自由を祝う音楽やダンスと同じ空間で、現在の状況を憂えるスピーチや静かな黙祷が行われるなど、「祝うこと」と「問い直すこと」が同時に存在していたとされています。
日本にいる私たちにとってのJuneteenth
日本に暮らす私たちにとって、アメリカの奴隷制度や人種差別は、距離のある歴史や社会問題に見えがちです。しかしJuneteenthのニュースは、次のような問いを静かに投げかけています。
- 自分の社会には、過去の差別や排除の記憶をきちんと語り継ぐ場があるか
- マイノリティや少数派の声は、日常の中でどれだけ聞こえているか
- 「祝う」行事の裏側にある歴史や背景を、どこまで理解しようとしているか
ロサンゼルスの歴史ある黒人コミュニティでのJuneteenthは、遠い国の出来事でありながら、「記念日をどう意味づけるか」という普遍的なテーマを私たちに示しています。
記事のポイントまとめ
- Juneteenthは、1865年に最後の奴隷となっていたアフリカ系住民が自由を知らされた日を記念するアメリカの記念日です。
- 2025年のロサンゼルスでは、歴史ある黒人コミュニティでの祝祭が、全米で高まる緊張を背景に「祝う」と「考える」が交差する場となりました。
- このニュースは、日本社会にとっても「歴史の記憶をどう共有し、次世代に伝えるか」を考えるきっかけとなり得ます。
Reference(s):
cgtn.com








