ロンドン発、中国輸入博覧会ロードショー トランプ関税下で貿易協力を模索 video poster
世界がトランプ米大統領の輸入関税で「貿易戦争」の瀬戸際とされるなか、ロンドンでは中国の高官代表団が欧州企業に向けて中国国際輸入博覧会を売り込むロードショーを始めました。上海で今年開かれる輸入専門の国際見本市に、より多くの海外企業を呼び込む狙いです。
世界が貿易戦争の瀬戸際とされる背景
米国が輸入品に追加関税を課す動きを強める中、各国は報復関税などの応酬に発展しかねない緊張感を抱えています。とりわけトランプ米大統領の関税政策は、世界経済を「貿易戦争」の一歩手前に押しやっていると見られています。
こうした不透明な環境の中で、中国は海外とのビジネスを広げ、自国市場への輸入を増やすことで、新たな協力関係を築こうとしています。その象徴的な取り組みが、上海で毎年開かれる中国国際輸入博覧会です。
上海で開かれる中国国際輸入博覧会とは
中国国際輸入博覧会は、上海で毎年開催される大型の見本市で、輸入に特化した世界唯一の国際博覧会だと位置づけられています。輸出ではなく、あくまで海外から中国への輸入拡大を前面に出している点が特徴です。
この博覧会は2018年に始まり、以来、貿易、金融、テクノロジーなど幅広い分野から毎回3000社を超える企業が参加してきました。英国企業も初回から参加しており、今年の開催にも関心を寄せています。
主催者は、巨大な中国市場への入り口として世界中の企業を招き入れることで、共通のビジネス機会を生み出したい考えです。
欧州で始まったロードショーとロンドンの役割
今年後半に予定される次回の中国国際輸入博覧会に向け、中国の高官から成る代表団が欧州各地を回るロードショーをスタートさせました。その第一歩として訪れているのがロンドンです。
代表団を率いるのは、博覧会を統括する副主任のウー・ジェンピン氏です。ロンドンでは、中国市場への進出や事業拡大を検討する英国企業と個別に会い、出展のメリットや手続きなどを説明しているとされています。
ウー氏は「中国の理念は、世界とともに繁栄することです。他国からより多くの輸入品やサービスを中国の市場に迎え入れたい」と強調します。
さらに「中国の人々が持つ発展の機会と巨大な市場を、世界と分かち合いたい」と述べ、中国が輸入拡大を通じて海外との協力関係を深めていく姿勢を示しました。
英国企業・欧州企業にとっての意味
ロンドンでの説明会には、中国市場で新たな販路を開きたい英国企業や、既存のプレゼンスを広げたい企業が参加しているとみられます。輸入博覧会は、短期間で多数の中国のバイヤーやパートナー候補と接触できる場となる可能性があります。
こうした場が想定する参加企業の姿は、例えば次のようなものです。
- 初めて中国市場に参入したい中小企業
- 既に中国でビジネスを展開し、販路拡大を狙う大手企業
- 金融やテクノロジーなど、サービス分野で連携先を探す企業
世界的に貿易摩擦のリスクが高まる中でも、企業レベルでは新たな協力の余地を探る動きが続いています。ロンドンでのロードショーは、その一端を象徴していると言えます。
輸入拡大を掲げる中国のメッセージ
通商をめぐって保護主義的な動きが指摘される一方で、「輸入を増やす」と掲げる今回の取り組みは、中国が自国市場をより開放しようとしているメッセージとして受け止められます。
輸出ではなく輸入をテーマにした見本市に海外企業を招くことは、世界経済の成長を共に分かち合うという姿勢を打ち出す試みとも言えます。中国にとっては、海外からの信頼を高め、貿易や投資の流れを安定させる狙いもにじみます。
一方で、各国が通商政策をめぐって主導権争いを繰り広げる中、このような場がどこまで実質的な協力につながるのかは今後の焦点です。日本を含むアジアの企業にとっても、中国市場や欧州市場との向き合い方を考える上で、ロンドン発のこの動きから学べる点は少なくありません。
Reference(s):
London buzzes with trade collaboration as Chinese roadshow begins
cgtn.com








