ゼレンスキー氏「西側企業がロシア支援」 プーチン氏は「ウクライナは我々のもの」 video poster
ウクライナのゼレンスキー大統領が、西側企業がロシアに工作機械を供給し、武器生産を間接的に支えていると強く批判しました。2022年から続く紛争と制裁のなかで、企業活動と安全保障の線引きがあらためて問われています。
ゼレンスキー氏、西側企業の「ロシア支援」を批判
ゼレンスキー大統領は現地時間の土曜日、西側の一部企業がロシアに工作機械を提供し、それが兵器製造に使われていると発言しました。
大統領によると、関係していると名指ししたのは次の国々の企業です。
- ドイツ
- チェコ(チェコ共和国)
- 韓国
- 日本
- 米国の一部企業(ごく少数の部品を供給していると説明)
ゼレンスキー氏は「ロシア連邦は、いくつかの国から工作機械を受け取っている。彼らはそれを兵器製造に使っている」と述べ、これらの企業が制裁の抜け道になっていると訴えました。
ウクライナ側は、関係する企業に関する情報を「すべての国、すべてのパートナー」にすでに共有したとしたうえで、「これらの企業に制裁を科すよう強く求める」と各国に呼びかけています。
問題となっている「工作機械」とは
今回ゼレンスキー氏が名指ししたのは、金属などを精密に加工するための「工作機械」です。工作機械は、自動車や家電など民生品の製造にも使われる一方で、兵器や軍需品の生産にも不可欠な設備とされています。
ウクライナ側は、ロシアがこうした工作機械を利用してミサイルや無人機(ドローン)などの兵器を製造していると主張し、その供給を止めなければ制裁の効果が弱まると警鐘を鳴らしています。
制裁と供給網の「抜け穴」を訴えるウクライナ
ウクライナは、2022年に紛争が始まって以来、同盟国やパートナー国に対し、ロシアへの制裁が十分ではないと繰り返し訴えてきました。特に、ロシアの調達網や供給網が完全には断ち切られていないと指摘しています。
ウクライナによれば、ロシアが発射した無人機やミサイルの内部から、西側で製造された部品が見つかるケースがこれまでにもあったといいます。今回の工作機械をめぐる発言も、そうした問題意識の延長線上にあります。
ゼレンスキー氏は、ロシアに流れ込む部品や設備を一つ一つ特定し、関連企業に制裁を課すことが、紛争を終わらせるうえで重要だとの考えを示しています。
プーチン氏の「Ukraine ours」発言と強硬姿勢
一方で、ロシアのプーチン大統領はウクライナをめぐり「Ukraine ours(ウクライナは我々のものだ)」と発言したと伝えられています。ウクライナ側の主張とは対照的に、領有権を強く主張するメッセージであり、政治的な溝の深さを象徴する言葉でもあります。
2025年12月現在も、ウクライナとロシアの対立は続いており、双方の発言からは妥協の糸口が見えにくい状況がうかがえます。
私たちが考えたい3つのポイント
今回の国際ニュースは、遠い戦場の出来事であると同時に、私たちの身近な経済活動とも無関係ではありません。ニュースを読むうえで、次の3つのポイントを押さえておくと理解が深まります。
- 企業の責任とコンプライアンス
- 経済と安全保障の結びつき
- 長期化する紛争のコスト
1. 企業の責任とコンプライアンス
一見すると民生用に見える製品や設備でも、軍事転用される可能性があります。ゼレンスキー氏の発言は、輸出先や最終用途をどこまで把握し、どこまで責任を負うべきかという、企業のコンプライアンス(法令順守)と倫理の問題を突きつけています。
2. 経済と安全保障の結びつき
工作機械や精密部品といった産業基盤は、平時には経済成長を支える「インフラ」ですが、戦時には軍事力を支える「資源」にもなります。どのような取引が、どの国の軍事力につながりうるのかを意識することが、国際社会にとってますます重要になっています。
3. 長期化する紛争のコスト
2022年から続く紛争は、軍事面だけでなく、エネルギー価格、物価、貿易など多方面に影響を与えています。ゼレンスキー氏とプーチン氏の発言が示すように、立場の隔たりが大きいほど、紛争の長期化リスクも高まります。
私たち一人ひとりが、このようなニュースを通じて、戦争と経済、企業の役割について考え続けることが、国際問題を自分事としてとらえる第一歩と言えそうです。
Reference(s):
Zelenskyy says Western firms helping Russia, Putin says 'Ukraine ours'
cgtn.com








