米国が日本に防衛費GDP比3.5%を要求 日米2プラス2中止報道の波紋
米国が日本に防衛費を国内総生産(GDP)の3.5%まで引き上げるよう求めていると報じられました。実現すれば、日米同盟の負担の分担と日本の安全保障政策に大きな影響を与える可能性があります。
何が報じられているのか
共同通信によると、米政府は日本に対し、防衛費をGDP比3.5%まで増額するよう求めており、この要求がきっかけで、日本政府は近く予定されていた米国との外務・防衛担当閣僚による2プラス2会合の開催を見送る公算が大きいとされています。
報道では、ワシントンで行う予定だったこの会合は、石破茂首相とドナルド・トランプ米大統領がそれぞれ就任して以降、初めての2プラス2となるはずでした。
一方、英紙フィナンシャル・タイムズは、日本側が7月1日に予定されていた会合を、米側からの突然の大幅な防衛費増額要求を受けて中止したと伝えています。
米国が求めるGDP比3.5%とは
米国の要求は、単なる微調整ではなく、数字だけ見てもかなり踏み込んだ水準です。報道によれば、この要求はここ数週間の間に、米国防次官(政策担当)のエルブリッジ・コルビー氏から日本側に伝えられたとされています。
コルビー氏は以前から、日本の防衛費をGDP比3%まで引き上げるよう求めてきたとされており、今回はその水準をさらに3.5%へと引き上げるよう促した形です。
日本はすでに2%目標まで踏み込んでいた
日本は2022年、トランプ氏の最初の任期終了後に、防衛費を2027年までにGDP比2%へ倍増させる方針を決定しました。戦後長く専守防衛と平和憲法の下で慎重な防衛政策を続けてきた日本にとって、この決定は大きな転換点と受け止められてきました。
今回報じられている米側の3.5%要求は、この2%目標をさらに大きく上回る水準です。仮に日本がこの要求を受け入れる場合、想定していたペースや規模を超える防衛費の拡大が必要になる可能性があります。
2プラス2会合中止が示すもの
2プラス2会合は、日米の外務・防衛の責任者が顔を合わせ、安全保障政策の方向性をすり合わせる重要な場です。その会合が、防衛費をめぐる意見の食い違いを背景に中止・見送りとなったとすれば、同盟運営の難しさを象徴する出来事と言えます。
とくに、石破首相とトランプ大統領の就任後初となる予定だったことを踏まえると、初期段階から負担の分担の議論が前面に出た形とも受け取れます。
トランプ政権が重視する負担の分担
報道によれば、トランプ氏はこれまでも日米安全保障条約が一方的だと繰り返し不満を示してきました。現在の政権も、日本に駐留する米軍の経費について、より多くの負担を日本側に求める方針を検討しているとされています。
今回の防衛費GDP比3.5%という要求も、同盟国に対し自国の安全保障により大きな役割と資源投入を求める、いわゆる負担の分担論の延長線上に位置づけられます。
日本国内で問われる三つの論点
もし日本が防衛費をさらに大きく引き上げるとすれば、国内では次のような論点が改めて問われることになりそうです。
- 財政負担の優先順位:社会保障や教育、少子化対策など、他の重要な政策とのバランスをどのように取るのか。
- 安全保障戦略との整合性:増やした防衛費を何に使い、どのような能力を重視するのか。日本自身の防衛戦略と具体的に結びついているのか。
- 日米同盟のあり方:求められたから応じるのではなく、両国がどのような役割分担を望み、その姿にふさわしい水準をどう決めていくのか。
これから何を見ていくべきか
現時点では、米国の要求に日本側がどこまで応じるのか、具体的な結論は見えていません。ただ、7月1日に予定されていた2プラス2会合が中止されたと報じられていることからも、日米間の協議は決して平坦ではないことがうかがえます。
今後の日米協議では、数字としての3.5%だけでなく、それが意味する安全保障の役割分担や、日本の防衛政策の方向性が大きな焦点となっていきます。読者一人ひとりにとっても、どこまでの防衛負担を許容し、どのような関係を同盟国と築くべきかという問いは、決して遠い世界の話ではありません。
今後も日米関係や防衛政策をめぐる動きがどのように進むのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
U.S. presses Japan to raise defense spending to 3.5% of GDP: media
cgtn.com








