イラン「核施設は事前に避難」 米軍空爆前に濃縮ウラン搬出と報道
米軍が土曜日にイランの核施設3カ所を空爆したとされるなか、イラン側は施設から濃縮ウランなどを事前に搬出していたと伝えられています。放射能による被害リスクをどう抑えようとしているのかが注目されています。
土曜日に何が起きたのか
イラン国営放送の幹部によりますと、イランは米軍の軍事攻撃が行われる前に、3つの核関連施設をすでに避難させていたとしています。
米国のドナルド・トランプ大統領は、土曜日に米軍がイランのフォルドゥ、ナタンズ、イスファハンの核施設を空爆したと説明しました。いずれもイランの核関連施設だとされています。
これに対し、イラン国営放送副代表のハッサン・アベディニ氏は、自身が出演したテレビ番組で、3つの核施設は「しばらく前に避難させていた」と述べました。
イラン側の説明:濃縮ウランはすでに搬出
アベディニ氏によると、これらの核施設に保管されていた濃縮ウランの備蓄は、事前に別の場所へ移送されていたといいます。
同氏は、核施設から濃縮ウランが移されているため、空爆を受けても放射線が漏れ、国民に害を及ぼすような物質は残っていないと強調しました。
つまりイラン側は、今回標的となった施設について、軍事攻撃による放射能被害のリスクは低いとの見方を示した形です。
なぜ「事前避難」を強調するのか
核施設が攻撃を受けた場合に最も懸念されるのは、放射線の拡散や周辺住民への健康被害です。今回アベディニ氏が、濃縮ウランの備蓄を移送済みだと説明したのは、国内外に「危険な放射能漏れは起きていない」というメッセージを発信する狙いがあるとみられます。
同時に、核関連施設が軍事衝突の焦点となっている現状も浮き彫りになりました。空爆の標的に核インフラが含まれたことは、事態が一段と緊迫していることを示しています。
今後の焦点:安全と核開発をどう両立させるか
今回伝えられている情報からは、空爆による物理的な被害の詳細や、核関連活動への具体的な影響など、多くの点はなお見えてきません。
それでも今回の動きは、次のような問いを投げかけています。
- 核施設が軍事行動の標的になったことで、イランの核開発をめぐる交渉や駆け引きはどのように変化するのか
- 放射能リスクを抑えるための安全対策は、今後さらに強化されるのか
- 地域の安全保障やエネルギー供給をめぐる緊張は、長期化するのか
国際ニュースとしてのイランの核問題は、軍事、安全保障、エネルギー、市民の安全といった複数の論点が重なり合うテーマです。今回の空爆とイラン側の説明が、今後の議論にどのような影響を与えるのか、引き続き注視する必要があります。
Reference(s):
Iran says nuclear sites evacuated before U.S. strikes: reports
cgtn.com








