イスラエルと米国がイラン核施設を攻撃 高まる中東緊張を解説
イスラエルとイランの軍事的緊張が急速に高まっています。イスラエル軍と米国がイラン国内の軍事・核関連施設への攻撃を実施したと発表し、中東情勢は2025年12月時点で新たな局面を迎えています。
(2025年12月8日)
テヘランで防空システム作動 イスラエルが「軍事目標」を攻撃
イランの首都テヘランやそのほかの地域で、月曜日の朝(現地時間)、防空システムが作動しました。イスラエル軍はイラン国内の「軍事目標」に対する攻撃を実施したと主張しており、その一環として空爆が行われたとみられます。
現時点で被害の規模や人的被害の有無など、詳細は明らかになっていませんが、イランの中枢地域で防空が稼働したこと自体、事態の深刻さを示しています。
米国は核施設3カ所を空爆と発表 トランプ大統領「成功した作戦」
米国のドナルド・トランプ大統領は、米軍がイランの核関連施設3カ所を標的とした爆撃を行い、「成功した」と述べました。トランプ氏は、これらの施設は壊滅したと主張しており、イランの核開発能力に大きな打撃を与えたと強調しています。
ただし、施設の損壊状況や放射性物質への影響など、具体的な被害の全容はまだ把握されておらず、今後の現地調査や国際機関の評価が焦点となります。
国連事務総長「危険な転換点」 安保理で懸念表明
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、日曜日に開かれた安全保障理事会で発言し、米国によるイラン核施設への爆撃は「危険な転換点」だと警告しました。
グテーレス氏は、中東の不安定化に加え、核拡散防止体制そのものが揺らぎかねないと懸念を示したとされています。国連として外交的な緊張緩和に向けた対話の枠組みを維持できるかどうかも問われています。
イスラエル首相「目標に近づいた」 米国の空爆を評価
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、トランプ大統領がイランの核施設への爆撃を命じたことについて、イスラエルがイランにおける自国の目標達成に一歩近づいたと述べました。
イスラエルは長年、イランの核開発を自国の安全保障上の最大の脅威の一つと位置づけてきました。今回の米国による空爆は、イスラエルにとって安全保障上の大きな成果だと受け止められている一方、地域の軍事的緊張を一段と高める可能性があります。
イラン外相はモスクワでプーチン大統領と協議へ
イランのアッバス・アラグチ外相はロシアの首都モスクワに到着しており、月曜日にロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談する予定です。両者は、今回の米国とイスラエルによる攻撃を受けた最新の情勢について協議するとみられます。
ロシアはイランと関係が深く、シリア情勢などでも連携してきました。今回の会談が、イランへの政治的・軍事的支援の強化につながるのか、それとも緊張緩和に向けた調整の場となるのか、注目されています。
高まるエスカレーション懸念 私たちが押さえておきたい3つのポイント
今回のイスラエル・イランをめぐる動きは、単なる一度きりの軍事行動にとどまらず、中東全体、さらには国際秩序にまで影響を与えかねません。現時点で意識しておきたいポイントを3つに整理します。
- 1. 報復と連鎖的な軍事行動のリスク
イラン側がどのような形で対応するかによっては、周辺国や非国家勢力も巻き込んだ連鎖的な軍事行動に発展する可能性があります。 - 2. 核不拡散体制への打撃
核関連施設への攻撃は、核開発を抑制する枠組みそのものの信頼性を揺るがすおそれがあります。今後、国際原子力機関(IAEA)などの関与がどこまで認められるかが重要です。 - 3. 大国間関係への波及
米国とロシアがそれぞれどのようにイラン情勢に関与するかは、欧州や中東の同盟国を含む大国間の力学にも影響を与えます。モスクワでの協議の行方は、その試金石となりそうです。
日本やアジアにとっての意味
中東での緊張激化は、原油価格の変動や海上輸送の安全保障を通じて、日本やアジアの経済にも影響を与えます。エネルギー価格の急騰や供給不安が現実味を帯びれば、企業活動や家計に直接響く可能性があります。
遠く離れた地域のニュースに見えても、日本の社会や私たちの日常生活と無関係ではありません。今後の各国の発表や国連での議論、イランとロシアの動きなどを丁寧に追っていくことが重要になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








