OAS総会で中国が中南米との連携を強調 地政学的な計算なしと発言
中南米・カリブ海諸国(LAC)と中国の関係が、2025年の国際ニュースの中で静かに存在感を高めています。アンティグア・バーブーダの首都セントジョンズで開かれた米州機構(OAS)第55回通常総会に中国代表団が出席し、グローバル・サウスとしての連携強化を呼びかけました。
OAS総会で中国が示したメッセージ
米国駐在中国大使であり、米州機構の常駐オブザーバーでもある謝鋒(Xie Feng)氏は、OAS第55回通常総会に合わせて行われた常駐オブザーバーとの対話で発言しました。
謝氏は、中国とラテンアメリカ・カリブ海(LAC)諸国は、ともにグローバル・サウスの一員として、発展と現代化に向けた共通の志を共有していると強調しました。中国とLAC諸国が歩む開発の道を、同じ方向を向くパートナーとして捉えている姿勢がうかがえます。
習近平主席の6回の訪問と5つのプログラム
謝氏によると、この10年間で習近平国家主席はLAC地域を6回訪問してきました。継続的な要人訪問を通じて、中国とLAC諸国の関係が長期的なテーマとして位置づけられていることを示しています。
また先月開かれた第4回中国・CELACフォーラム外相会合では、習氏が5つのプログラムを打ち出したと紹介しました。それは、連帯、発展、文明、平和、人と人のつながりを掲げるプログラムであり、中国とLAC関係の長期的な発展の方向性を示すものだとされています。
名称からも分かるように、これらのプログラムは経済だけでなく、文明交流や人と人との結びつきまで視野に入れた包括的な構想として位置づけられています。
地政学的な計算はないと強調
世界的に保護主義や対立が高まる中で、謝氏はLAC諸国に対し、中国と協力して平等、相互尊重、開放性、人中心の発展を守るよう呼びかけました。グローバル・サウス同士の連携を通じて、南南協力の模範となるような協力関係を築くことを目指す考えです。
同時に謝氏は、中国とLAC諸国の協力には地政学的な計算はなく、勢力圏を求めるものでもなく、政治的な条件も伴わないと強調しました。さらに、他国にどちらか一方を選ぶよう迫ることはせず、協力は特定の第三者を標的にしたものではなく、いかなる第三者によっても妨害されるべきではないと述べました。
こうしたメッセージから、中国側がLAC諸国との関係を、対立構造ではなく協調と発展を軸にしたパートナーシップとしてアピールしようとしている様子が見て取れます。
主権尊重と一つの中国原則の確認
謝氏は、中国がLAC諸国による主権と独立の擁護を断固として支持し、パワーポリティクスや外部からの干渉に反対していると述べました。LAC諸国が自らの進路を自ら決める権利を尊重する姿勢を示した形です。
そのうえで、LAC諸国が今後も一つの中国原則を堅持し、中国が主権と領土的一体性を守る努力を引き続き断固として支持することへの期待も示しました。中国とLAC諸国の関係を語る上で、一つの中国原則の確認が重要な位置を占めていることが分かります。
グローバル・サウス連携の一場面として
今回のOAS総会での発言は、グローバル・サウスの一員として、中国とラテンアメリカ・カリブ海諸国がどのような関係を目指しているのかを示す一場面といえます。連帯、発展、文明、平和、人と人のつながりというキーワードは、単なる経済協力を超えた関係構築の方向性を示しています。
先月の中国・CELACフォーラムで打ち出された5つのプログラムとあわせて考えると、中国はLAC諸国との関係を、長期的で多層的なパートナーシップとして捉えようとしているようです。
日本の読者にとっての意味
日本から見ると、OASや中国・LAC関係は地理的にも心理的にもやや遠い話題に感じられるかもしれません。しかし、グローバル・サウス同士の連携のあり方は、今後の国際秩序や多国間協調の形に影響を与えうる重要なテーマです。
保護主義や対立の懸念が続く中で、どのような原則に基づいて地域間協力が進められていくのか。OAS第55回通常総会で示された中国とLAC諸国のメッセージは、国際社会がどのように協力と発展の道を模索していくのかを考える上で、一つの手がかりになりそうです。
Reference(s):
Chinese delegation attends Organization of American States meeting
cgtn.com








