国連憲章はアラカルトのメニューではない グテーレス氏が80年目に警鐘
国連の創設文書である国連憲章が採択から80年を迎えた今年、アントニオ・グテーレス国連事務総長は、憲章がこれまでになく攻撃にさらされていると警告し、「国連憲章はアラカルトのメニューではない」と加盟国に強いメッセージを送りました。
「選び取り」は許されないというメッセージ
グテーレス事務総長は、世界193の加盟国が参加する国連総会の場で、各国が国連憲章を都合よく解釈している現状に懸念を示しました。
事務総長は、憲章をめぐって「憲章に合うときは従い、合わないときは無視するという、おなじみのパターンが見られる」と指摘しました。そのうえで、国連憲章は選択制ではなく、国際関係の土台となるものであり、「アラカルトのメニュー」のように好きな部分だけを選んでよいものではないと強調しました。
国連憲章80年の節目に問われる「国際法への再コミット」
グテーレス事務総長は、国連憲章の目的と原則を守ることは決して終わることのない使命だと述べ、これまで以上に国際法を尊重し、言葉だけでなく行動によって再びコミットする必要性を訴えました。
さらに、事務総長は加盟国に対し、この節目の年にあらためて国連憲章の精神と条文に忠実であること、その憲章が各国に求める責任を引き受けること、そして「平和、公正、進歩」を実現する未来を共に築くことを呼びかけました。
事務総長が示した三つのキーワード
- 国連憲章の原則を「選び取り」ではなく、全体として尊重すること
- 国際法を掲げるだけでなく、具体的な行動で順守を示すこと
- 「われら諸国民」の名のもとに、平和と正義、進歩のための未来を構想すること
サンフランシスコから始まった80年
国連憲章は、国連という世界機関を成り立たせている基礎条約です。憲章は、1945年6月に米国サンフランシスコで開かれた会議で採択され、その翌日に各国代表によって署名されました。今年は、その署名から80年という大きな節目にあたります。
この80年のあいだに、国連憲章はさまざまな国際的な危機や緊張の中で、その意義と限界の両方を問われ続けてきました。グテーレス事務総長の発言には、そうした歴史を踏まえながらも、今なお憲章の原則が揺らいでいるという危機感がにじみます。
ニュースを読むときの「国連憲章という物差し」
国際ニュースでは、「国連憲章違反」や「国際法に基づく」といった言葉が頻繁に登場します。今回のメッセージは、そうしたニュースを読むとき、何が憲章の精神や条文に沿っているのかを意識してみてほしいという問いかけでもあります。
- ある国の行動が、「憲章に都合のいい部分だけ従う」ものになっていないか
- 国際社会の批判や支持は、どの条文や原則を根拠にしているのか
- 自国を含む各国は、言葉だけでなく行動で国際法順守を示しているか
国連憲章80年の節目に発せられた「アラカルトではない」というメッセージは、政府や外交関係者だけでなく、ニュースを日常的にチェックする私たち一人ひとりにも向けられていると言えます。
Reference(s):
cgtn.com







