ハンガリー小都市コマーロム、BYD電気バス生産拠点として加速 video poster
ハンガリー北西部の小都市コマーロムが、中国の自動車メーカーBYDの電気バス工場を通じて、欧州のグリーン転換を支える拠点として存在感を高めています。国際ニュースを日本語で知りたい読者に向けて、この動きが地域と欧州全体にもたらす意味を整理します。
国境の小都市コマーロムが欧州の新拠点に
スロバキアとの国境に位置するハンガリーのコマーロムは、人口2万人に満たない小さな都市です。この町には、世界有数の電気バスメーカーである中国のBYDが2017年に開設した工場があります。
この工場では、これまでに700台以上の電気バスが生産されてきました。現在は増設計画が進んでおり、欧州の電気バス供給拠点としての役割が一段と強まろうとしています。
最新バッテリーで400キロ走行、静かな電気バス
コマーロム工場で組み立てられるバスの多くには、BYDの最新バッテリー技術が搭載されています。1回の充電で最大約400キロメートル走行できるとされ、都市間輸送や長時間の運行にも対応しやすい仕様です。
車両は静かで近代的、そして完全電動です。BYDヨーロッパ商用車部門のマネジングディレクター、張道春(Daochun Zhang)氏は「私たちのバスは品質が良く、エネルギー消費も非常に優れています」と語り、技術面での手応えを示しています。
雇用は最大2倍に、地域経済への波及
現在、この工場では500人以上が働いています。進行中の拡張計画が完了すれば、雇用はおよそ2倍に増える可能性があり、小都市コマーロムにとって大きな経済的インパクトとなります。
コマーロムの人口規模を考えると、工場の存在は地域の雇用や税収、周辺ビジネスへの波及効果を通じて、町の将来像を左右する要素になりつつあります。張氏は「コマーロムはハンガリーにとって重要な都市であり、この街の人々は私たちにとても友好的です。ここで工場を拡張したいと考える理由の一つです」と述べ、地域との信頼関係の重要性を強調しています。
ロンドンからリスボンまで、欧州の街を走るハンガリー製バス
コマーロム工場では、欧州各都市向けの18メートル級連節バス(関節部を持つ長いバス)が生産されています。さらに、ロンドンで運行されている2階建て電気バス向けに、車体の骨格となるシャシー(車台)をハンガリーで生産する可能性についても検討されています。
すでにロンドンからリスボンまで、ハンガリーで作られた電気バスが欧州の街中を走り始めています。コマーロムの工場拡大が進めば、こうした電気バスが今後さらに増えていくことが見込まれます。
ハンガリーと中国の「つながり」を象徴
ハンガリー政府にとって、この投資は中国との関係の深さを示す象徴でもあります。ペーテル・シーヤールトー外相は「ハンガリーでは、私たちはつながりと相互尊重を選びます。世界中で協力して働くことを信じています」と述べ、東西が協力することの意義を強調しました。
さらに、BYDは2025年中に欧州本社をブダペストへ移転する計画を進めています。ハンガリー側にとっては、雇用や技術革新、気候変動対策の推進力につながる動きと位置づけられています。
歴史の街から「静かな未来」を運ぶ街へ
これまで歴史的背景で知られてきたこの地域は、今、電気バスというかたちで未来の交通を支える役割を担いつつあります。コマーロムは、一台一台の電気バスを通じて、欧州のグリーン転換を静かに後押ししていると言えます。
日本の読者への示唆:地方都市とグリーン産業
この国際ニュースは、日本の地方都市や産業政策を考えるうえでも示唆に富んでいます。人口規模の小さな都市でも、電気バスなどのグリーン産業を通じて国際的な役割を果たし得ることを、コマーロムの事例は示しています。
- グローバル企業の工場誘致が、地域経済や雇用を大きく動かし得ること
- 電動化・脱炭素の流れの中で、新たな産業分野が地方にもチャンスを生み出しうること
- 国際的なパートナーシップが、技術や人材の交流を促しうること
日本の読者にとっても、ハンガリーのコマーロムで起きている変化は、今後の地域づくりや産業戦略を考えるヒントとなりそうです。
Reference(s):
Hungary's Komárom accelerates as hub for electric bus production
cgtn.com








