フランスで公共の場の喫煙を大幅禁止 子どもの受動喫煙防止が焦点に video poster
フランスで、海水浴場や公園、バス停など広い公共の場での喫煙を禁じる新たな禁煙ルールが日曜日から施行されました。子どもの受動喫煙を防ぐことを主な目的としており、違反者には135ユーロ(約158ドル)の罰金が科されます。
どこで喫煙が禁止されたのか
今回のフランスの禁煙措置は、いわゆる屋外の「ちょっと一服」の場所まで広く対象にしています。政府の政令によると、喫煙が禁止される主な場所は次の通りです。
- 海水浴場(ビーチ)
- 公園や公共の庭園
- バス停などのバスシェルター
- 図書館の外
- プールの外
- 学校の外
いずれも、子どもが日常的に行き来したり、長い時間を過ごしたりする場所です。健康と家族を担当するカトリーヌ・ヴォートラン大臣がかねて強調してきた、子どもの環境を守るという狙いが色濃く出ています。
一方で、カフェのテラス席は今回の禁煙措置の対象外とされています。フランスの街並みの一部ともいえるカフェ文化に一定の配慮を残した形です。
罰金は135ユーロ 電子たばこは言及なし
政令に違反して禁止エリアで喫煙した場合、135ユーロ(約158ドル)の罰金が科されます。観光客も含め、フランスを訪れる人にとっては覚えておきたいルールです。
一方で、今回の政令文には電子たばこ(いわゆるベイプ)についての記載がありません。従来型の紙巻きたばこなどが主な対象とみられる一方で、電子たばこをどう扱うのかは、今後の議論や現場での運用を通じて注目される点といえます。
子どもの「きれいな空気」を守るというメッセージ
ヴォートラン大臣は今年5月、今回の方針を説明する中で「たばこは子どもがいる場所から姿を消さなければならない」と述べ、「子どもにはきれいな空気を吸う権利がある」と強調していました。
今回の禁煙措置は、まさにそのメッセージを具体的なルールに落とし込んだものだといえます。子どもが遊ぶ公園や、通学路となる学校周辺、家族で訪れるプールや図書館といった場所から、できるだけたばこの煙を遠ざけようという発想です。
年間7万5000人が喫煙関連で死亡
フランスでは、毎年およそ7万5000人が喫煙に関連する合併症で亡くなっていると推計されています。この数字は、健康被害の大きさと、対策の必要性を物語るものです。
こうした背景もあり、今回のような公共の場での喫煙禁止は、健康政策の一環として位置づけられています。単にマナーやイメージの問題ではなく、「命を守るためのルール」という側面が強調されていると言えるでしょう。
世論はおおむね支持 6割超が公共の禁煙に賛成
最近の世論調査によると、フランス人の10人に6人、具体的には62%が公共の場での禁煙に賛成しているとされています。多くの市民が、公共空間では非喫煙者や子どもを優先すべきだと考えていることがうかがえます。
もちろん、喫煙の自由とのバランスをどう取るかという議論は残りますが、今回のような広範な屋外禁煙策が導入された背景には、健康リスクに対する社会の受け止め方の変化があると言えそうです。
生活はどう変わる? 公共空間の「当たり前」を問い直す
日曜日から施行された新ルールにより、フランスの街角で見られる日常の風景は少しずつ変わっていきそうです。バス停でバスを待つ人のすぐ隣でたばこを吸う、といった光景は今後、違法行為となります。
一方で、カフェのテラス席は対象外のままであることから、「どこまでを公共の場として規制するのか」という線引きも、引き続き議論の余地を残しています。
今回のフランスの動きは、次のような問いを私たちに投げかけているようにも見えます。
- 公共空間で優先されるべきは、個人の自由か、それとも周囲の健康か
- 子どもの健康を守るために、どこまで大人の行動を制限できるのか
- 罰金という手段は、行動変容を促すうえでどこまで有効なのか
国や文化によって答えはさまざまですが、フランスの新たな禁煙ルールは、公共の場でのマナーや権利、健康をめぐる価値観の変化を映し出す一つの事例だと言えます。
あなたは、海水浴場や公園、バス停などでの全面禁煙についてどう感じるでしょうか。日常の「当たり前」を見直すきっかけとして、このニュースを周りの人と話してみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com








