ガザ情勢:学校と支援拠点を襲う攻撃で25人死亡と救助隊発表
ガザ地区で続く戦闘の中、避難民が身を寄せる学校や支援物資の配布地点が攻撃を受け、地元の救助当局は木曜日、少なくとも25人が死亡したと発表しました。戦闘開始から約22カ月に達しようとする中での新たな犠牲で、深刻な人道危機があらためて浮き彫りになっています。
避難民が集う学校を直撃、子どもと女性が多数犠牲
ガザ市では、パレスチナ人避難民を受け入れていた学校が空爆を受けました。ガザの防災当局者モハンマド・アル=ムガイール氏は、ムスタファ・ハーフェズ学校がイスラエル軍の空爆に見舞われ、少なくとも12人が死亡し、その多くが子どもと女性だったと述べています。この学校はアル・リマル地区にあり、戦闘で家を追われた人びとが身を寄せていました。
現地からの映像では、黒く焼け焦げ、爆撃で崩れた校舎の中を、小さな子どもたちが歩き回る様子が映し出されています。床には焼けたがれきや壊れた家具が散乱し、パレスチナの人びとがその中から使えそうなものを探している姿も確認されています。
ガザ地区では、2023年10月に始まった戦闘の長期化により、200万人を超えるとされる住民のほぼ全員が避難を強いられ、多くが学校施設を含む公共施設に身を寄せています。しかし、こうした避難所も度々攻撃を受けてきました。イスラエル軍は、民間人の間に武装組織ハマスの戦闘員が潜んでいると主張し、攻撃の正当性を説明することが多いとされています。
支援物資を求める列への銃撃、6人死亡と当局発表
同じ木曜日、ガザ中央部の支援物資配布地点近くでも犠牲が出ました。アル=ムガイール氏によりますと、人道支援物資を受け取るために集まっていた人びとの近くでイスラエル軍の銃撃があり、6人が死亡、多数が負傷したとされています。
戦闘の長期化に伴い、ガザでは食料や医薬品などの必需品が極度に不足しており、支援物資の受け取りを待つ列が攻撃に巻き込まれる事例が相次いでいます。今回の銃撃も、その連鎖の一つだと当局は訴えています。
イスラエル軍は、学校への空爆と支援物資配布地点近くでの銃撃について、報告内容を精査していると述べました。
北部や南部でも攻撃、避難テントも標的に
アル=ムガイール氏によれば、ガザ北部のベイトラヒヤでは砲撃により3人が死亡し、同じく北部のジャバリアでは空爆により1人が死亡しました。また、南部の沿岸地域アル・マワシでは、避難民が暮らすテントが攻撃を受け、3人が死亡したとされています。
アル・マワシは、イスラエル側が2023年12月に「安全地帯」として指定した地域ですが、それ以降も繰り返し攻撃が報告されています。避難を呼びかけられた先で再び攻撃にさらされるという状況は、住民の不安を一層高めています。
イスラエル軍は、ベイトラヒヤ、ジャバリア、アル・マワシで報告された各攻撃についてはコメントを控えた一方で、自軍がハマスの軍事能力を無力化するために行動しており、国際法を順守しつつ民間人の被害を抑えるため可能な限りの措置を講じていると説明しました。
22カ月目に近づく戦闘と深刻化する人道危機
ガザ地区の戦闘は、ハマスによる2023年10月7日の攻撃をきっかけに始まりました。イスラエル側の公式発表をもとにしたAFP通信の集計によると、この攻撃で民間人を中心に1,219人が死亡しました。
これに対するイスラエルの軍事作戦は、その後も続いており、ガザ地区では深刻な人道状況が生まれています。ハマスが統治するガザ地区の保健当局によると、これまでに少なくとも57,012人が死亡しており、その多くが民間人だとされています。国連は、この保健当局の統計を信頼できるものとして扱っています。
長期化する攻撃と包囲により、ガザでは住居、病院、学校など多くのインフラが破壊され、住民の大半が国内避難民となっています。今回の学校や避難テントへの攻撃は、戦闘の焦点が軍事目標にとどまらず、避難先や支援拠点にも及んでいる現状を示しています。
停戦提案と指導者たちの発言
戦闘が続く中でも、停戦に向けた外交努力は続いています。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は水曜日、仲介国が提示した新たな停戦案についてハマスが検討を進めていると伝えられる中でも、ハマスを「根絶する」方針を変えないと表明しました。
一方、米国のドナルド・トランプ大統領は、まず約60日間の一時停戦を目指す最新の停戦案について、イスラエルが支持していると述べています。戦闘の継続と停戦模索という二つの動きが、複雑に交差している状況です。
検証が難しい現場と情報の限界
ガザでは、報道機関に対する取材制限や治安上の懸念、物理的なアクセスの難しさが重なり、今回の攻撃を含む被害状況について、AFP通信を含む第三者が現地で独立して検証することは困難だとされています。
そのため、犠牲者数や攻撃の詳細は、ガザの防災当局や保健当局、イスラエル軍など、当事者や関係当局の発表に大きく依存せざるを得ません。情報源の偏りや限界を意識しながら、複数の発表内容をつき合わせて状況を把握する必要があります。
日本から見える問い:避難所と支援の安全をどう守るか
学校や避難テント、支援物資の配布地点が攻撃の現場となっているという事実は、国際人道法が想定する「保護されるべき場所」が十分に守られていない可能性を示唆しています。日本からは距離のある紛争ですが、避難民の安全、支援活動の中立性、そして長期化する軍事作戦の目的と限界について、私たち一人ひとりが問い直すきっかけにもなり得ます。
ガザ情勢をめぐるニュースは、数字や地名が多く、全体像をつかみにくい面があります。しかし、今回のような個々の出来事を丁寧に追うことで、戦闘が日常生活や教育、支援活動にどのような影響を与えているのかが、少しずつ見えてきます。今後の停戦交渉の行方とともに、現地の人びとが直面している現実に、継続的に目を向けていくことが求められています。
Reference(s):
Gaza rescuers say Israeli forces kill 25, including 12 in shelter
cgtn.com








