ブラジル発AIスマートシティ リオのCORがBRICS首脳会議を支える video poster
ブラジル・リオデジャネイロのオペレーションセンター「COR」が、人工知能(AI)を活用したスマートシティの象徴として、今年のBRICS首脳会議で注目を集めています。
国際ニュースとしても関心が高まるスマートシティ分野で、ブラジルはAIと都市運営を組み合わせた先進事例を提示しました。リオのCORは、都市をリアルタイムに監視する高性能な拠点として、7月に開催されたBRICS首脳会議の首脳会合における安全対策を支える中核的な存在となりました。この様子は、中国の国際メディアCGTNでルクレシア・フランコ記者がリポートしています。
BRICS首脳会議で浮かび上がった「AI×スマートシティ」
今年のBRICS首脳会議では、AIを活用したスマートシティづくりが重要なテーマの一つとなりました。とくに、安全で持続可能な都市をどう実現するかという問いは、ブラジルだけでなく、多くの国と地域が直面する課題でもあります。
スマートシティとは、センサーやデジタル技術を使って都市のさまざまなデータを集め、渋滞や災害、環境負荷といった問題を賢く管理しようとする取り組みの総称です。その中核にあるのが、膨大なデータを解析し、素早く判断を支援するAIです。
- 災害や事故などのリスクを早期に察知する
- 交通や公共交通機関の混雑を緩和する
- エネルギーやインフラを効率よく運用する
こうした機能は、いずれも都市の「安全」と「持続可能性」に直接つながるものであり、日本の読者にとっても他人事ではありません。
リオの都市中枢「COR」とは
ブラジル・リオデジャネイロのオペレーションセンター、通称CORは、都市全体を見渡すハイテク司令塔として位置づけられています。CGTNの報道によれば、この拠点ではAI駆動のシステムが導入され、都市の状況をリアルタイムで監視しています。
ポイントは、個々の部署や担当ごとではなく、都市で起きていることを一つの場所で統合的に把握するという発想です。これにより、例えば次のような対応がよりスムーズになることが期待されます。
- 大規模イベント時の人の流れの管理
- 事故やトラブル発生時の迅速な関係機関への連絡
- 気象情報などと連動した事前のリスク対策
今年7月に行われたBRICS首脳会議の首脳会合においても、CORは治安や交通などの安全対策を支える中核として機能しました。AIによるリアルタイム監視は、首脳や参加者、そして市民の安全を守る重要な要素となっています。
AIがつくる都市の「安全」と「持続可能性」
国際ニュースとして報じられたリオの事例は、AIが都市運営に組み込まれると何が変わるのかを考える上で、分かりやすいモデルケースと言えます。AIによるスマートシティ化には、主に次のような効果が期待されています。
- リスク管理の高度化:監視カメラやセンサー、通報情報などをAIが解析し、異常なパターンを早期に検知できる可能性があります。
- 都市サービスの最適化:交通の流れや公共サービスの需要を予測し、渋滞緩和や待ち時間の削減などにつなげやすくなります。
- 環境負荷の低減:照明や空調、公共インフラを必要なときに必要な分だけ動かすことで、エネルギー効率の向上が期待されます。
こうした取り組みは、特定の国だけでなく、人口の集中や老朽インフラ、気候変動といった課題を抱える世界中の都市にとって共通するテーマです。日本の都市も同様に、AI活用の方向性を模索している段階にあります。
便利さだけでなく、リスクやルールも問われる時代
一方で、AIによる都市の「見える化」が進むほど、プライバシーや監視のあり方に関する議論は避けて通れません。どのようなデータをどの範囲で集めるのか、誰がどのようにアクセスできるのか、といったルールづくりが重要になります。
また、AIの判断が常に公平とは限らないことも指摘されています。アルゴリズムに偏りがあると、一部の人々に不利な結果をもたらす可能性もあるからです。スマートシティは、単に技術の問題ではなく、ガバナンス(統治)と市民参加の問題でもあります。
リオのCORのような取り組みは、技術をどう生かすかと同時に、どうコントロールし、どう説明責任を果たすかという、より広い意味での「都市の民主主義」も問いかけています。
BRICSから見える、これからの都市のかたち
ブラジルをはじめとするBRICSの国々は、人口規模や経済成長、都市の急速な拡大など、多くの課題と可能性を抱えています。そうした中で、AIを活用したスマートシティの実験は、グローバル・サウスの都市がどのように未来像を描くかを示す一つのヒントになっています。
リオのCORを取り上げた今回の国際ニュースは、日本語で世界の動きを追う私たちにとっても、「技術を前提にした都市のアップデート」をどう考えるかという問いを投げかけます。
- 安全性とプライバシーのバランスをどう取るか
- 技術の導入に、市民や住民の声をどう反映させるか
- データやAIの仕組みを、どこまで開示・説明すべきか
これらは、日本の大都市だけでなく、地方都市やこれから人口が減少していく地域にとっても無関係ではありません。
「読みやすいのに考えさせられる」スマートシティのニュースとして
ブラジルのリオデジャネイロで進むAIスマートシティの取り組みは、国や地域を問わず、これからの都市づくりに多くの示唆を与えています。国際ニュースを日本語で追いながら、自分が暮らす街の未来を重ねて考えてみる――そんな視点で見ると、BRICS首脳会議の議論もぐっと身近なテーマとして感じられるのではないでしょうか。
通勤時間やスキマ時間に、スマートフォンでさらっと読むことができるニュースであっても、その先にある都市のかたちや社会のあり方まで思いを巡らせてみる。リオのCORをめぐるAIスマートシティの動きは、そんなきっかけを与えてくれる話題と言えます。
Reference(s):
Brazil showcases AI-powered smart city tech ahead of BRICS summit
cgtn.com








