猛暑が南欧経済を直撃 マドリードのゴリラ着ぐるみが語る現実 video poster
南欧を襲う猛烈な暑さが、観光業とそこで働く人たちの懐に静かに深い影響を与えています。スペイン・マドリードで着ぐるみを着て観光客に笑顔を届ける一人の移民労働者の声は、その現実をくっきりと映し出しています。
ゴリラの中は45度 マドリードの路上で
「通りが40度なら、ゴリラの中は45度か46度です」。コロンビア出身のフレディ・モリナさんは、中国の国際メディアCGTNの取材にこう話しました。
スペインで合法的に働くための書類がないモリナさんは、家族を養うために、真夏のマドリードで巨大なゴリラの着ぐるみをかぶり、観光客に笑顔とハグを届けながら、チップを期待して路上に立ち続けています。
「中に閉じ込められていて、息をするのも大変です。脱水症状になり、頭痛や吐き気もします。朝8時からここにいますが、稼げたのは5ドルほどで、とても厳しいです」と訴えます。
猛暑で観光客が日中に外出しない
モリナさんによれば、暑さの影響は体調だけではありません。「問題は、観光客が日中に出てこないことです。熱波と強い日差しのせいで」と言います。
気温が極端に高くなると、人びとは昼間の外出を控え、観光のピークは早朝や日が落ちてからに移ります。その結果、日中の人通りに依存していた路上パフォーマーや露店商の収入は大きく落ち込みます。
2025年現在、こうした猛暑と熱波は、南欧の観光の風景だけでなく、そこで働く人たちの稼ぎ方や生活を根本から揺さぶっていると言えます。
極端な暑さがもたらす経済的打撃
マドリードの路上のゴリラは、極端な暑さが経済にもたらす影響を象徴する存在です。観光客の行動パターンが変わることで、日中の賑わいを前提にしたビジネスは成り立ちにくくなります。
- 気温が上がるほど、屋外での活動を避ける観光客が増える
- その結果、路上パフォーマーや露店商などの売り上げが減る
- 特に法的保護が薄い立場の人ほど、収入が不安定になる
モリナさんは「家族のために働き、生き延びるためにやっています。そうでなければ、私たちは路上で飢え死にしてしまうでしょう」と話します。猛暑による経済的打撃が、生活のぎりぎりのラインにいる人々を直撃していることが伝わってきます。
見えにくい人々に集中するリスク
モリナさんは、スペインにいる家族だけでなく、母国コロンビアにいる家族も支えています。日々の収入が少しでも落ちれば、生活はすぐに行き詰まりかねません。
猛暑や熱波は、観光客にとっては「外出を控える」という選択肢がありますが、その観光客を相手に働く人々には、暑さを避ける余裕がほとんどありません。働かなければ、その日の生活費すら手に入らないからです。
こうした極端な暑さの経済的な影響は、統計には表れにくい側面があります。しかし、そのしわ寄せは、日雇い労働者や移民労働者など、社会的に弱い立場の人々に集中していると考えられます。
ニュースから私たちが考えたいこと
南欧の猛暑とマドリードのゴリラの話は、気候と経済、そして人の暮らしがどれほど密接につながっているかを教えてくれます。
- 暑さに適応するためのまちづくりや観光のあり方をどう変えていくか
- 炎天下の最前線で働く人の健康と安全をどう守るか
- 法的な保護を受けにくい人々を社会としてどう支えるか
今後も、極端な暑さは世界各地で続くと見込まれています。マドリードの路上から届いた一人の声をきっかけに、自分の暮らす街や業界に置き換えながら、「暑さと経済」の関係を静かに見直してみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








