紛争下のイランも注目 BRICSサミットとグローバルサウスの新しい支え video poster
紛争や地政学的な対立が続く中で、各国がBRICSに支援や後ろ盾を求める動きが強まっています。今年7月6〜7日にブラジル・リオデジャネイロで開かれたBRICSサミットでも、その傾向がはっきりと表れました。とくに、最近のイスラエルや米国との対立を経験したイランは、グローバルサウスを代表する声としてのBRICSに大きな期待を寄せています。
リオのBRICSサミット、何が注目されたのか
リオデジャネイロでのBRICSサミットには、各国の首脳が集まりました。議題や声明だけでなく、「グローバルサウスの声」をどう代弁するのかという象徴的な意味も、今回の会合には重なっています。
BRICSは、新興国や途上国を中心とした枠組みとして、従来の国際秩序に対して別の選択肢を提示しつつあります。軍事衝突や制裁、外交的な圧力が高まる局面で、
- 国際世論の場で発言を支えてくれる存在
- 経済・外交面でのパートナー
- 「欧米か、それ以外か」という二分法を超える新しい対話の場
として期待されていることが背景にあります。
紛争後のイランがBRICSに求めるもの
最近のイスラエルや米国との衝突を経て、イランは大きな安全保障上・外交上の課題に直面しています。そうした状況のなかで、BRICSに対する期待は次のような形で表れています。
国際社会での立場を支える「政治的な声」
イランにとって、BRICSは単なる経済協力の枠組みではなく、自国の立場を理解し、国際社会に発信してくれる可能性を持つ場として映っています。複数の紛争が重なる世界で、どの国も自国の安全と正当性を主張せざるを得ませんが、イランのように緊張の矢面に立つ国にとっては、
- 自国の主張を聞いてもらえる場
- 対話や外交的解決を後押ししてくれる仲介役
として、BRICSが重要になりつつあります。
「孤立しない」という安心感
軍事的・外交的な緊張が高まると、人々の間には「自分たちは一人ではないのか」という不安が生まれます。イランがBRICSに支持を求める背景には、国としての安全保障だけでなく、そうした心理的な側面も無視できません。グローバルサウスの仲間と並んで議論できること自体が、イランにとっては重要なメッセージとなっています。
ブラジル在住のイラン人がサミットを見る理由
中国の国際メディアCGTNのパウロ・カブラル記者によると、ブラジルに暮らすイラン出身の移民たちは、リオのBRICSサミットを強い関心をもって見守っているとされています。彼らは、母国の行方と、自分たちが暮らすブラジルという新しい社会の両方に目を向けています。
母国と新しい生活のあいだで
ブラジルに移り住んだイラン出身者にとって、BRICSサミットは単なる「遠くの国際会議」ではありません。
- 母国イランの安全や将来に関わる議論の場
- 自分たちが暮らすブラジルが、どのように世界と関わるかを映す鏡
でもあるからです。紛争報道で母国が伝えられるたびに、海外に暮らす人々の不安や葛藤も高まります。そうした中で、BRICSのような場で対話が進むことに、少しでも希望を見いだそうとする人は少なくありません。
グローバルサウスにとってのBRICSの意味
BRICSは、いわゆるグローバルサウス――アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの新興国・途上国を中心とする広いグループ――の声を届ける場として注目されています。紛争や対立が増えるほど、その役割は重くなります。
とくに、最近のように多くの地域で緊張が高まる時期には、
- 軍事力ではなく、対話と交渉を優先するメッセージを出せるか
- 一部の大国だけでなく、多様な国々の視点を国際議論に反映できるか
- 紛争当事国に対して、暴力の拡大を抑えるよう働きかけられるか
といった点で、BRICSに向けられる期待は高まっています。
日本からこの動きをどう見るか
日本にいる私たちにとっても、「各国がどこに支援や理解を求めているのか」を知ることは、国際ニュースを読み解くうえで重要です。イランのように紛争のただ中にある国がBRICSへの期待を強めているという事実は、世界の対話の場が多極化しつつあることを示しています。
ニュースを追うとき、
- どの国が、どの枠組みに支援や理解を求めているのか
- その背景にある歴史や人々の日常の不安・期待は何か
- 対立を深めるのではなく、どうすれば対話を増やせるのか
といった問いを一つ足してみると、同じ国際ニュースでも見え方が変わってきます。リオのBRICSサミットを見つめるイランとブラジルの人々の視線からは、「読みやすいニュースの裏側にある、人々の感情と選択」を考えるヒントが得られそうです。
Reference(s):
Nations increasingly looking to BRICS for support in recent conflicts
cgtn.com








