コロンビアがBRICS連携を強化 一帯一路参加と新開発銀行加盟の狙い video poster
南米コロンビアが、アジアとBRICS諸国との連携を一気に深めています。今年5月の中国訪問で中国の一帯一路構想への参加を正式化し、先月にはBRICSが設立した新開発銀行に加盟しました。経済の多角化を目指すこの動きは、ラテンアメリカとアジアの関係をどう変えていくのでしょうか。
視線をアジアへ向けるコロンビア
コロンビア政府は、資源輸出への依存から脱却し、より多様な産業と貿易相手を持つ経済構造への転換を掲げています。アジアを新たな成長市場として位置付け、投資や貿易、インフラ協力を通じて存在感を高めようとしています。
ボゴタからの報道によると、グスタボ・ペトロ大統領は、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体の議長として地域全体の声を代弁する立場から、アジアとの関係強化を進めています。中国との関係深化も、その大きな柱の一つです。中国の国際メディアCGTNのミシェル・ベゲ記者は、ボゴタからこうした動きを詳しく伝えています。
2025年5月:中国訪問で一帯一路参加を正式化
2025年5月、ペトロ大統領はラテンアメリカ・カリブ諸国共同体の議長として中国を訪問しました。この訪問の場で、コロンビアは中国が提唱する一帯一路構想への参加を正式に表明しました。
一帯一路は、アジア、ヨーロッパ、アフリカなどを結ぶインフラや貿易ネットワークの構築を目指す広域協力構想です。コロンビアが参加することで、アジアとの物流・投資のつながりを強める狙いがあります。
コロンビアにとって期待される効果として、例えば次のような点が挙げられます。
- 港湾、鉄道、道路など輸出入を支えるインフラの整備
- アジア市場へのアクセス向上による貿易拡大
- 再生可能エネルギーやデジタル分野での協力機会
先月:BRICSの新開発銀行に加盟
さらに先月(2025年11月)、コロンビアはBRICSが設立した新開発銀行(New Development Bank)に加盟しました。新開発銀行は、加盟国や地域のインフラや持続可能な開発プロジェクトを資金面から支えることを目的とした銀行です。
加盟によりコロンビアは、大規模なインフラ投資やエネルギー転換プロジェクトに利用できる新たな資金の選択肢を得ることになります。これは、従来の国際金融機関に加えて、資金調達の幅を広げる動きとも言えます。
- 中長期のインフラ投資資金へのアクセス
- 気候変動対策や再生可能エネルギーへの資金供給
- 資金調達手段の多様化によるリスク分散
コロンビアの狙い:三つのキーワード
一帯一路への参加と新開発銀行への加盟という二つの動きには、コロンビアの中長期的な戦略が透けて見えます。そのポイントを三つのキーワードで整理してみます。
1. 経済の多角化
コロンビアは、石油や鉱物など一部の資源に偏りがちな経済構造からの脱却を課題としてきました。アジアとの連携を強めることで、製造業やサービス産業、デジタル経済など新たな分野の成長を狙っています。
2. 地政学的バランスの模索
従来、コロンビアは北米や欧州との関係が特に重視されてきました。一方で近年は、アジアを含む新興国との協力も深めることで、パートナーシップのバランスを取ろうとする動きが見られます。BRICSや中国との連携は、その一環と位置付けられます。
3. グリーン転換とインフラ整備
気候変動への対応や再生可能エネルギーへの移行は、コロンビアにとっても重要な課題です。新開発銀行の資金や一帯一路を通じたプロジェクトは、交通網の改善やエネルギーインフラの近代化など、グリーン転換を進めるための手段として注目されています。
ラテンアメリカとアジアの関係はどう変わるか
コロンビアの動きは、一国の政策にとどまらず、ラテンアメリカとアジアの関係全体を映し出すものでもあります。アジアとの貿易や投資、インフラ協力は、地域の成長モデルを変える可能性を秘めています。
今後、ほかのラテンアメリカ諸国も、それぞれの事情に応じてアジアとの連携を模索していくと見られます。そのなかでコロンビアがどのような役割を果たすのかは、地域の動向を読み解くうえで重要な指標となりそうです。
これから注目したい点
今回の一連の動きはまだスタート地点にあります。実際にどのようなプロジェクトが動き出し、コロンビアの人々の暮らしにどのような変化が生まれるのかは、これから時間をかけて見えてくるでしょう。
- 一帯一路や新開発銀行を通じた具体的なプロジェクトの内容と進捗
- 現地の雇用や技術移転、地域経済への波及効果
- 環境や地域社会への影響にどう配慮していくか
アジアとの連携を深めるコロンビアの選択は、変化する世界経済のなかで、ラテンアメリカがどのように位置づけられていくのかを考えるうえで、注目すべき事例と言えます。
Reference(s):
cgtn.com








