韓国の尹錫悦前大統領に逮捕状 昨年12月の戒厳令巡り再拘束へ
韓国のソウル中央地裁は今週木曜日、昨年12月の戒厳令をめぐり尹錫悦前大統領の逮捕状を発付しました。韓国政治の中枢で起きた異例の事態として、国内外の注目が集まっています。
- ソウル中央地裁が尹錫悦前大統領の逮捕状を発付
- 昨年12月3日の戒厳令をめぐる五つの容疑
- 尹氏は容疑を全面否認し、事件は長期化の様相
ソウル中央地裁が逮捕状を発付
韓国の通信社・聯合ニュースによりますと、ソウル中央地裁は特別検事の趙銀淑氏の請求を受けて、尹錫悦前大統領に対する逮捕状を発付しました。木曜日に開かれた審問を経て判断が下されたということです。
逮捕状が発付されたことで、尹氏はソウル南方の義王市にあるソウル拘置所に移送されました。昨年12月の戒厳令をめぐる事件で尹氏に対して逮捕状が出るのは2度目です。
争点となっている五つの容疑
報道によると、尹氏には以下の五つの容疑がかけられています。
- 昨年12月3日の戒厳令宣言に先立つ重要会議から大半の閣僚を排除し、その権利を侵害した疑い
- 戒厳令宣言後に戒厳令関連文書をねつ造し、当時の韓国首相である韓悳洙氏と国防相の金勇鉉氏に署名させた疑い
- 外国メディアに対し虚偽の説明を広めるよう指示した疑い
- 本年1月に出された逮捕状の執行を妨害するよう側近に指示した疑い
- 安全電話とされる回線の通話記録を削除するよう命じた疑い
尹氏はこれらの容疑をいずれも否認しており、木曜日の審問でも無実を主張したと伝えられています。
一度は釈放されたが、再び身柄拘束へ
尹氏は今年1月にいったん逮捕されましたが、3月にソウル中央地裁が勾留の取り消しを決定し、釈放されていました。今回の逮捕状発付により、同じ事件をめぐる身柄拘束は2回目となります。
特別検察官チームは、戒厳令宣言の経緯や当時の政府内の意思決定プロセスに問題がなかったか、改めて詳しく検証するとみられます。
戒厳令とは何か
戒厳令とは、非常事態を理由に軍が治安維持に直接関わる体制へと切り替える措置のことです。通常は、民主的な統治や市民の権利に大きな制約を伴うため、その発動には厳格な条件と手続きが求められます。
昨年12月3日の戒厳令をめぐる事件は、こうした非常措置がどのような手続きで決まり、どこまで権限が行使されたのかが大きな争点となっています。
韓国政治への影響と今後の焦点
韓国では、歴代大統領が退任後に捜査や裁判の対象となるケースが相次いできました。今回の尹氏の事案も、権力行使のあり方や司法の独立性をめぐる議論を一段と深めるきっかけになりそうです。
今後の焦点は、
- 戒厳令宣言前後の意思決定が法律に沿って行われていたか
- 文書ねつ造や証拠隠滅などの行為があったかどうか
- 裁判手続きがどの程度の期間にわたるのか
逮捕状発付はあくまで捜査と裁判に向けた一段階であり、有罪かどうかは今後の司法判断に委ねられます。事件の推移は、2025年の韓国政治と東アジア情勢を考えるうえでも、引き続き注目されそうです。
Reference(s):
Court issues warrant to arrest former South Korean President Yoon
cgtn.com








