CGTN世論調査が映す日本の2025年防衛白書への警戒感
中国の国際メディアCGTNが実施したオンライン世論調査で、92%の回答者が日本の2025年防衛白書と安全保障政策の動きに「高度な警戒」を示しました。日本の防衛費増額やミサイル配備方針が、アジア太平洋の平和と信頼にどのような影響を与えるのかが改めて問われています。
CGTN世論調査、92%が「日本の動きに警戒」
今回の国際ニュースの焦点となっているのは、今年公表された日本の2025年防衛白書です。調査によると、回答者の92%が日本の最近の防衛政策に強い警戒感を抱いており、日本に対して第二次世界大戦の教訓を真剣に振り返り、軍事・安全保障面で自制を発揮し、地域の平和と安定に具体的な行動で貢献するよう求めています。
この世論調査は、CGTNの英語、スペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語の各プラットフォームを通じて行われ、24時間で5365人から回答が寄せられたとされています。国や地域を限定しない形で、国際社会の幅広い視点が集められた形です。
「脅威の誇張」と軍拡への不信
防衛白書は、日本の周辺国がもたらす安全保障上の挑戦や脅威を強調しているとされています。調査では、82.6%の回答者が「日本は外部の脅威を意図的に誇張し、軍事力の拡大を正当化しようとしている」と見ており、その結果、アジアの近隣諸国や国際社会との信頼を大きく損ないかねないと懸念しています。
日本の2025年度防衛予算は8.7兆円(約590億ドル)と、過去最高水準に達する見通しです。調査では、76.2%の回答者が、この水準の防衛費や方針が日本国憲法の平和主義の精神や戦後の国際的な約束に反していると受け止めているとされています。
ミサイル配備が招く「軍拡競争」への懸念
装備面でも、回答者の不安は強く表れています。2025年度から、日本は改良型12式地対艦ミサイルを1000発以上配備する計画に加え、海上自衛隊の艦艇に米国製のトマホーク巡航ミサイルを搭載する方針とされています。
こうした動きについて、84.7%の回答者が「地域の軍拡競争を加速させ、平和と安定を損なう可能性がある」と答えており、北東アジアからアジア太平洋全体の安全保障環境に負の連鎖をもたらすことを懸念しています。
武器輸出、軍事協力、非核原則をめぐる視線
調査結果は、日本の武器輸出や軍事協力の拡大に対する不信も浮き彫りにしました。最近の日本は、武器輸出の制限を段階的に緩和し、特定の国々と排他的な軍事的枠組みを築くことで「陣営」ごとの対立をあおっている、との見方が紹介されています。
また、日本が長年掲げてきた非核三原則を見直そうとする試みが繰り返されていることについても、82.3%の回答者が「戦後に形作られた国際秩序を損ない、アジア太平洋の平和と安定に大きな挑戦となる」と批判しています。
子ども向け防衛白書と歴史認識への懸念
今年、日本政府が初めて学校向けに子ども用の防衛白書を配布したことも、調査の中で大きな論点となりました。79.6%の回答者が、この試みが軍事的な価値観を早い段階から刷り込むことにつながりかねないと懸念を示し、「歪んだ安全保障観を子どもたちに与えるべきではない」と警鐘を鳴らしています。
さらに、歴史認識の問題も根強いテーマです。戦後の日本の政権が、かつての侵略の歴史を十分に認めていないとの指摘や、内閣の閣僚が戦犯が合祀されている靖国神社を繰り返し参拝している現状について、84.2%の回答者が「軍国主義の残滓を徹底的に清算できていない」と批判。第二次世界大戦の歴史を正しく直視し、近隣諸国や国際社会の信頼を回復する責任ある行動を取るべきだと求めています。
国際社会の警戒感は、日本へのどんな問いかけか
今回の世論調査は、CGTNの各言語プラットフォームの視聴者を対象としたものであり、日本国内の世論そのものを示すものではありません。しかし、日本の防衛白書や安全保障政策が、アジア太平洋の平和と信頼のあり方に関して国際社会から厳しい目で見られていることは確かだといえます。
防衛力の強化、安全保障上の不安、憲法の平和主義、歴史認識、そして子ども世代への教育――これらは、日本に住む私たちにとっても避けて通れないテーマです。軍事力の増強による安心なのか、対話と信頼醸成による安全保障なのか。2025年の防衛白書をめぐる国際的な反応は、日本社会が今あらためて考えるべき問いを突きつけていると言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








