南極の超古代氷で気候変動を読む 英国チームが最古の氷コア採取 video poster
南極の氷に閉じ込められた120万〜150万年前の「気候の秘密」を探ろうと、英国の科学者たちが新たな挑戦を続けています。世界で最も古い氷コアとされる試料を手に入れることで、現在進行している地球の気候変化をより深く理解しようとしているのです。
世界最古クラスの氷コア、舞台は東南極リトル・ドームC
英国南極観測局は、世界で最も遠く厳しい環境の大陸・南極で、10の欧州諸国から集まった専門家チームと協力し、世界最古の氷コアとされる試料を採取しました。掘削が行われたのは、東南極にあるリトル・ドームCという野外キャンプです。
研究チームは氷床に深さ2,800メートルの穴を開け、そこから4.5メートルずつ氷の柱を引き上げました。非常に繊細な作業のため、一本を取り出すのにおよそ2時間半もかかったといいます。
採取された氷コアはその場でより小さなピースに切り分けられ、一つひとつ記録を付けたうえで、欧州各地の研究機関へ送られました。
ケンブリッジに届いた190メートルの氷
今回採取された氷のうち、合計190メートル分が英国ケンブリッジの研究施設に届けられました。ここでは、氷は1メートルごとに切り分けられ、断面が一辺3.5センチほどの細長い棒状に整えられています。
分析が始まるまで、氷コアはマイナス25度の低温で厳重に保管されています。120万〜150万年前の記録を損なわないよう、現在も慎重な管理が続けられているのです。
60年以上続く南極観測の、最新の成果
英国南極観測局は、60年以上にわたり南極の上空と地表、さらに氷の下で何が起きているのかを観測してきました。その歴史の中でも特に知られているのが、1985年に南極上空でオゾン層の薄まりを発見したことです。
この発見は、オゾン層を破壊する物質の生産を世界的にやめる流れにつながり、地球環境政策を大きく変えるきっかけとなりました。今回の超古代の氷コアも、それに匹敵する長期的なインパクトを持つ可能性があります。
研究チームは、この氷が過去の気候の歴史について貴重な手がかりを与え、現在進行している地球の気候変化を理解する助けになることを期待しています。
古代の氷が伝える、過去と現在のつながり
120万〜150万年前の時代に由来するこの氷には、その時期の地球環境に関する情報が残されていると考えられています。長い時間をかけて蓄積された記録をたどることで、地球の気候がどのように変化してきたのかをより立体的に描き出すことができます。
とりわけ今回のような世界最古クラスの氷コアは、これまでの観測データだけでは見えなかった「長い時間スケールでの変化」に迫る手がかりになると見られています。現在の変化が、過去の変動と比べてどれほど特別なのかを考える材料にもなりそうです。
南極発の気候研究をどう受け止めるか
地球規模の気候変化が話題になるなか、南極という遠い場所で行われている研究は、一見すると私たちの日常からは離れているように感じられます。しかし、過去の気候の姿を知ることは、これからの社会や暮らしを考えるうえで重要なヒントになります。
今回の氷コア研究は、まだ分析の入り口に立ったばかりです。今後詳細な解析が進めば、地球の気候システムについて新しい理解が生まれるかもしれません。南極の深い氷の下からどのようなストーリーが浮かび上がってくるのか、引き続き注目していきたいテーマです。
Reference(s):
British scientists seek the climate secrets of ancient Antarctic ice
cgtn.com








