トランプ米大統領、エプスタイン事件の大陪審証言公開を指示
トランプ米大統領が、米国で注目を集めるジェフリー・エプスタイン事件をめぐり、大陪審(グランド・ジュリー)の証言記録の公開を司法省に指示しました。国際ニュースとしても、米司法制度の透明性と政治の関わりを考える重要な動きです。
何が起きたのか:大統領が「すべての関連証言」の公開を要請
トランプ米大統領は木曜日、自身のSNS「Truth Social」への投稿で、ジェフリー・エプスタイン事件に関する「すべての関連する大陪審証言」を公開するよう、パム・ボンディ司法長官に要請したと明らかにしました。公開はあくまで「裁判所の承認を前提」として行われるとしています。
これを受けてボンディ司法長官は、X(旧ツイッター)への投稿で、司法省が金曜日に裁判所へ申し立てを行い、大陪審の証言記録の封印を解くよう求める準備ができていると表明しました。政府側が積極的に「記録の開示」を進める姿勢を示したかたちです。
大陪審証言とは何か:ふだんは非公開の「ブラックボックス」
大陪審は、刑事事件で起訴するかどうかを判断するために、市民から選ばれた陪審員が検察側の証拠や証言を非公開で審理する制度です。その場での証言や議論の内容は、証人保護や捜査への影響を考慮し、通常は厳重に秘匿されます。
今回焦点となっているのは、その大陪審での証言の書き起こし記録(トランスクリプト)です。これを公開することは、
- 捜査や起訴の経緯がどこまで透明化されるのか
- 関係者のプライバシーや安全をどう守るのか
- 司法の独立性と政治の関与をどう線引きするのか
といった点で、大きな議論を呼びやすいテーマです。
司法省はどう動くのか:鍵を握るのは裁判所の判断
ボンディ司法長官は、司法省として裁判所に封印解除を求める姿勢を明確にしました。ただし、最終的に大陪審証言が公開されるかどうかを決めるのは裁判所です。
一般的に、こうした記録の一部または全部を公開するかどうかを判断する際には、
- 国民の「知る権利」や報道の自由
- 証人や被害者、関係者の安全
- 今後の捜査・裁判への影響
といった要素が慎重に検討されます。今回も、どこまでが開示され、どこからが非公開にとどまるのかが焦点になりそうです。
ウォール・ストリート・ジャーナルを提訴すると警告
トランプ大統領は、エプスタイン事件をめぐる動きと並行して、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)との対立も強めています。同紙が報じた「2023年のエプスタイン宛て書簡」に関する記事をめぐり、大統領は以前のSNS投稿で、WSJを訴えると警告しました。
報道によると、この書簡は2023年(2年前)に送られたとされるもので、その内容をめぐって報道機関と大統領の間で激しい応酬が生じています。政治指導者と主要メディアの対立は、米国内の世論や国際的なイメージにも影響を与えやすく、日本を含む各国の読者も無関係ではありません。
透明性か政治的思惑か:今回の動きが問いかけるもの
大陪審証言という、通常は「見えない領域」に光を当てようとする今回の動きは、米国の司法制度に対する不信感や、透明性を求める声に応える試みと見ることもできます。一方で、
- なぜ今、このタイミングで公開を求めるのか
- 政治的なメッセージや支持層へのアピールではないのか
- 記録公開が新たな政治対立や陰謀論を強めないか
といった疑問も残ります。
エプスタイン事件そのものだけでなく、司法省、ホワイトハウス、そしてメディアの三者がどのように動くのかは、2025年の世界を理解するうえで重要な国際ニュースになりつつあります。日本にいる私たちにとっても、
- 権力のチェックとバランスをどう保つべきか
- 「秘密」と「透明性」のどこに線を引くのか
- SNS時代の政治家と報道機関の関係はどうあるべきか
といった問いを静かに突きつけるニュースといえるでしょう。
今後、裁判所がどの範囲で大陪審証言の公開を認めるのか、そしてその内容がどのような波紋を広げるのかが、次の注目ポイントとなります。
Reference(s):
Trump orders release of grand jury transcripts from Epstein case
cgtn.com








