ロサンゼルスから連邦軍撤収へ 移民政策デモ対応で州兵と海兵隊を縮小 video poster
今年7月、アメリカ・ロサンゼルスに派遣されていた連邦軍部隊が段階的に撤収することになりました。移民・税関捜査局ICEの強制捜査に対する抗議デモを受けて増強されていた治安要員が見直される形です。
ロサンゼルスに派遣された州兵4,000人の半数を撤収
トランプ政権は、移民・税関捜査局ICEによる強制捜査と身柄拘束に抗議するデモがロサンゼルスで続く中、先月までにカリフォルニア州兵約4,000人を同市に派遣していました。7月21日の段階で、このうち半数の撤収を命じたと伝えられています。
州兵は、各州の非常時や災害時に動員される部隊ですが、今回のように大規模な抗議デモに対応するため都市部に投入されることもあります。ロサンゼルスでは、抗議行動に伴う一部の混乱を抑えることが目的とされました。
国防総省、海兵隊700人の引き揚げも発表
同じ7月21日、国防総省はロサンゼルスに配備していた海兵隊部隊についても、700人を現地から引き揚げると発表しました。カリフォルニア州兵の縮小と合わせて、ロサンゼルスにおける連邦軍の存在感は一気に小さくなる見通しです。
現地からは、CGTNのエディズ・ティヤンサン記者が、ロサンゼルスの街の様子や、撤収が市民生活に与える影響について詳しく伝えています。
背景にあるICEの強制捜査と抗議デモ
今回の軍派遣と撤収の背景には、移民・税関捜査局ICEによる強制捜査への強い反発があります。職場や住宅への一斉捜索、移民の身柄拘束をめぐって、ロサンゼルスでは市民や支援団体が抗議デモを繰り返してきました。
抗議デモの多くは非暴力で行われますが、人が集まれば交通の混乱や一部での衝突リスクも高まります。連邦政府としては、治安維持と市民の表現の自由の両立という難しい課題に直面していると言えます。
連邦軍の投入と撤収が投げかける問い
大都市に連邦軍を投入することは、アメリカ国内でも議論を呼びやすい対応です。治安の安定を重視する立場からは一定の理解を示す声がある一方で、軍の存在が市民の抗議活動を萎縮させるのではないかという懸念もあります。
今回、トランプ政権が州兵4,000人の半数と海兵隊700人の撤収に踏み切ったことは、緊張が一定程度和らいだことを示すサインとも受け取れます。ただし、移民政策そのものをめぐる対立や、ICEの捜査のあり方への疑問が解消されたわけではありません。
治安と権利のバランスをどう取るか
ロサンゼルスでの一連の動きは、民主社会にとって普遍的なテーマを改めて浮かび上がらせています。
- 抗議デモが激しくなったとき、どこまでが認められる市民の権利なのか
- 治安維持のために、軍や警察はどこまで介入すべきなのか
- 移民政策の運用に対する不満や不安に、政治はどう応えるのか
今年夏のロサンゼルスは、こうした問いを一気に可視化しました。連邦軍の撤収は一つの区切りではありますが、移民政策と市民の権利をめぐる議論は、今後も続いていくとみられます。
日本からこのニュースを見る私たちにとっても、他国の出来事として距離を置くだけでなく、自国の治安政策やデモの扱い方を考える手掛かりとして受け止めることができそうです。
Reference(s):
cgtn.com








