ガザで3カ月男児が飢餓死 ミルク不足が映す人道危機 video poster
ガザ地区で3カ月の男の子がミルク不足の中で飢餓死したと、家族と医師が伝えています。続く戦闘の影響で深刻化する飢餓と栄養失調の実態が、あらためて浮き彫りになりました。
ミルクが見つからず…3カ月のヤヒヤが飢餓で死亡
亡くなったのは、生後3カ月の男の子ヤヒヤ(Yahya)です。家族と医師は、中国の国際メディアCGTNに対し、ヤヒヤがガザで飢餓によって命を落としたと証言しています。
叔母のナジラ・アルナジャルさんは「家族は粉ミルクも食べ物も見つけられなかった」と話し、ガザで乳児用ミルクや離乳食を手に入れることがいかに難しくなっているかを示しました。家庭の努力だけではどうにもならない状況が、ひとりの赤ちゃんの命を奪った形です。
病院が語る「栄養失調」と慢性的な下痢
ガザ市にあるアル・ランティシ小児病院のラゲブ・ワルシュ・アガ医師は、同病院には栄養失調や慢性的な下痢に苦しむ子どもたちが多数運び込まれていると述べています。その大きな要因として、乳児用ミルクの深刻な不足を挙げています。
十分な栄養をとれない状態が続くと、子どもは免疫力が落ち、下痢や感染症などに一層弱くなります。医師の証言は、医療現場がギリギリの状況で子どもたちの命を支えようとしている現実を映し出しています。
「飢えの波」が押し寄せるガザ
ロイター通信は医師の話として、直近24時間だけでガザで15人が餓死したと伝えています。数カ月にわたりガザを覆ってきた「飢えの波」が、ついに現実の死者として表れ始めているという警告です。
パレスチナ当局によると、イスラエルが2023年10月にガザへの攻撃を開始して以来、飢えによる死者が「数十人」に達したと公の場で説明されたのはこれが初めてだとされています。
物資遮断とその後の「新たな措置」
報道によれば、イスラエルはガザへのすべての供給を3月に一時停止し、その後5月に封鎖を解除しました。ただしその際、支援物資が武装組織に渡るのを防ぐために必要だと説明する新たな管理措置を導入したとされています。
しかし、こうした過程の中でガザの食料備蓄は底をつき、多くの家庭が日々の食事や乳児用ミルクさえ確保できない状況に追い込まれました。ヤヒヤのような乳児は、わずかな供給の変化が命に直結する、もっとも弱い立場にあります。
数字が物語る子どもへの打撃
パレスチナ当局の数字としてロイター通信が伝えたところでは、今回の紛争の中で少なくとも101人が飢えによって死亡しており、そのうち80人は子どもだとされています。しかも、その多くはここ数週間のうちに命を落とした人たちです。
生後数カ月のヤヒヤの死は、その統計の「1」にすぎません。しかし、家族が必死に探してもミルクや食べ物が見つからないという現実は、数字の背後にある一人ひとりの生活と、失われた未来の重さを伝えています。
遠く離れた日本から考えるガザの飢餓
粉ミルクやベビーフードをスーパーで当たり前に買える社会に暮らす私たちにとって、「ミルクが見つからず、赤ちゃんが飢餓で亡くなる」というニュースは、現実感を持って想像しにくいかもしれません。
それでも、国際ニュースを通じてガザの状況に触れることは、紛争の是非を超えて、人道的な視点から何が最優先されるべきかを考えるきっかけになります。支援物資の管理や安全保障上の懸念と、住民の生存に必要な最低限のアクセス権をどう両立させるのか――ガザの飢餓は、世界全体に突きつけられた問いでもあります。
Reference(s):
'We couldn't find baby milk': Boy dies of starvation in Gaza
cgtn.com








