トランプ政権、UCLAの研究費を凍結 米大学への圧力が新局面 video poster
トランプ政権と米大学との対立が、研究費をめぐって新たな局面を迎えています。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究資金が凍結され、高等教育政策をめぐる議論が一段と高まっています。2025年12月現在、この動きはトランプ政権による高等教育への一連の圧力の「最新の一手」とみられています。
UCLAの研究費、数億ドル規模を凍結
報道によると、トランプ政権は公立大学であるUCLAを対象に、連邦政府からの研究資金、数億ドル規模を凍結しました。政権側は、大学の一部の方針が連邦の反差別法に違反していると主張しており、その是正を求めています。
ここでいう反差別法とは、人種や性別、出自、宗教などを理由に不利益を与えることを禁じる連邦法の総称です。大学の入学・採用・キャンパス運営などの方針が、これらの法律に沿っているかどうかが争点になっています。
研究資金の凍結は、次のような分野のプロジェクトに影響を与える可能性があります。
- 医療・生命科学研究
- 工学・テクノロジー関連の実証研究
- 環境・気候変動に関する長期プロジェクト
特に、大学院生やポスドク(博士研究員)の雇用、研究設備の維持、国際共同研究の継続などに不確実性が生じることが懸念されています。
高等教育との「戦い」はなぜ続くのか
今回のUCLAへの措置は、「トランプ政権と高等教育の戦い」の一環と位置づけられています。政権側は、大学キャンパスにおける不公正な扱いや特定の考え方への偏りを問題視しており、連邦資金をテコに方針の見直しを迫っています。
一方、多くの大学側は、法令順守は前提としつつも、学問の自由やキャンパスの自治が損なわれることを懸念しています。連邦資金への依存度が高い研究大学ほど、そのプレッシャーは大きくなります。
今回のUCLAのケースは、次のような問いを投げかけています。
- 反差別を徹底する取り組みと、大学の自主性や多様性確保をどう両立させるのか
- 連邦資金を政策変更の手段としてどこまで使ってよいのか
- 政治の変化が、長期的な研究計画にどの程度影響してよいのか
他大学は政府と和解、連邦資金を回復
UCLAの事案が起きたのは、他の米大学がすでに政府と和解し、連邦資金の復活を勝ち取っているタイミングでもあります。これらの大学は、キャンパスの方針や手続きの一部を見直すことで、資金凍結の解除に合意したとされています。
典型的には、次のような対応が取られているとみられます。
- 差別防止ポリシーや通報制度の明文化と強化
- 入学・採用プロセスの再点検と、透明性の向上
- 連邦政府への定期的な報告や監査への協力
こうした和解事例は、UCLAを含む他の大学にとっても、今後の交渉や対応の「参考モデル」となる可能性があります。その一方で、大学がどこまで妥協すべきかという議論も続きそうです。
日本や世界の研究コミュニティへの意味
UCLAは、日本を含む世界各地から多くの留学生や研究者が集まる拠点です。今回の研究資金凍結は、次のような形で日本にも波及しうる問題です。
- UCLAに在籍する日本人学生・研究者の奨学金や雇用への影響
- 日米共同研究プロジェクトのスケジュール遅延や縮小
- 米国の高等教育政策の変化を踏まえた、留学・研究先選びの見直し
また、研究資金が政治的な対立の焦点となる状況は、米国に限らず各国で起こりうるテーマです。日本の大学や研究機関にとっても、「資金の出し手」との関係を透明かつ説明可能な形で再点検する必要性を示しているとも言えます。
今後の注目ポイント
トランプ政権と米大学の関係は、2025年末にかけてさらに動きが出る可能性があります。読者が今後ニュースを追ううえで、特に注目したいポイントを整理しました。
- UCLAと連邦政府の交渉がどのような条件で決着するのか
- 他大学の和解条件が、UCLAや別の大学にも横展開されるのか
- 研究者・学生に対する具体的な支援策やセーフティネットは整備されるのか
- 日本からの留学生・研究者が多い大学で、同様の動きが広がるのか
米国の高等教育をめぐる動きは、単に一国の学内問題にとどまらず、グローバルな知の生産や人材の流動にも直結します。UCLAをめぐる今回の研究費凍結は、その変化を象徴する出来事として、今後も注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
Universities in U.S. prepare for more cuts from Trump White House
cgtn.com








