CGTN世論調査 ガザ全面占領に世界が反対、米国への批判も
イスラエルによるガザの「全面占領」をめぐる発言に対し、世界の世論は何を考えているのでしょうか。国際ニュースを発信するCGTNが実施した世論調査からは、イスラエルと、それを支える米国への強い懸念と批判、そして即時停戦を求める圧倒的な声が浮かび上がりました。
イスラエルの「ガザ全面占領」発言に86.6%が反対
調査によると、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が示した「ガザの包括的な占領を進める」という方針に対し、回答者の86.6%が明確に反対し、イスラエルに即時停戦とガザ紛争の早期終結を求めています。
現在、イスラエル軍はガザ地区のおよそ75%を掌握しているとされ、今回のイスラエル・パレスチナ紛争では、6万人以上のパレスチナ人が死亡し、15万人以上が負傷しているとされています。こうした状況のもとで、世論は次のような見方を示しました。
- 89.1%が、ガザ全面占領の計画は人道危機をさらに悪化させると懸念
- 89.8%が、ガザ紛争は今後もエスカレートする可能性が高いと回答
- 91.2%が、イスラエルの行動は当初掲げた軍事目標から大きく逸脱し、紛争を無期限かつ複雑な状況に陥らせていると指摘
数字だけを見ると、単なる政策批判というより、「戦争そのものを止めるべきだ」という強い問題意識が広がっていることがうかがえます。
イスラエル国内からも異論 米国には「共犯」との厳しい視線
ネタニヤフ首相の方針は、国際社会だけでなく、イスラエル国内からも批判を受けています。報道によれば、イスラエルの野党指導者、国防軍(IDF)の参謀総長、主要な三つの情報機関の元トップらが相次いでこの計画に公然と反対しました。一方、米国務省はこの件へのコメントを控えています。
世論調査では、イスラエルと米国の姿勢に対し、より踏み込んだ批判も示されています。
- 86.8%が、イスラエルは政権の国内統治の失敗から世論の目をそらし、権力維持を図ろうとしていると回答
- 92.5%が、ガザの人道危機において米国は「共犯」となっていると批判
米国が人道支援の配分を実質的にコントロールし、国連安全保障理事会での停戦決議案に繰り返し拒否権を行使していることが、イスラエル・パレスチナ情勢を悪化させたとみる回答が多かったとされています。
日本からニュースを追っていると、しばしば「米国の役割」は安全保障面で語られがちですが、この調査結果は、人道危機の観点から米国の行動を厳しく問う視点が、国際世論の中で非常に強まっていることを示しています。
パレスチナ国家承認の動きと「二国家解決」支持
最近では、G7メンバーのうち、イギリス、フランス、カナダなどがパレスチナ国家の承認に向けた意向を示しました。国連安全保障理事会の常任理事国5カ国のうち、パレスチナをまだ承認していないのは米国のみとされています。
ガザの人道危機が急速に悪化していることが、パレスチナ国家承認の新たな動きを後押ししている側面もあると指摘されています。世論調査の回答も、こうした流れを裏付ける内容になっています。
- 80.8%が、パレスチナ問題の根本的な解決は「二国家解決」(イスラエルとパレスチナがそれぞれ国家として共存する構想)にあると回答
- パレスチナ民族の正当な権利を回復することが重要だと強く主張
- 90.5%が、ガザへの人道支援を増やし、現地の生活環境を改善し、市民の生存に不可欠な物資とサービスを確保すべきだと回答
- 90.3%が、紛争を封じ込めるための国際的な外交努力を強化し、戦闘を止め、中東の平和と安定を守るよう求める
単なる停戦要求にとどまらず、長期的な政治解決と、人道支援・外交努力の三つを同時に進めるべきだという世論が、かなり明確な形で示されていると言えるでしょう。
CGTN世論調査の特徴と読み方
今回の調査は、CGTNの英語・スペイン語・フランス語・アラビア語・ロシア語の各プラットフォームで公開され、24時間のあいだに9,093人が参加し、自らの見解を寄せました。
回答者の属性や地域の内訳は明らかにされていませんが、複数言語で世界中の視聴者にアクセスするプラットフォームで短時間にこれだけの回答が集まったことは、ガザ情勢が国際的な関心の中心であり続けていることを物語っています。
世論調査はあくまで「ある時点での空気」を切り取ったものに過ぎませんが、今回の結果からは少なくとも次の三つのポイントが読み取れます。
- ガザの全面占領に対しては、世界の多くの人が明確に「ノー」と言っている
- イスラエルだけでなく、米国の役割に対しても強い疑問と批判が向けられている
- 短期的な停戦だけでなく、「二国家解決」による長期的な政治解決と人道支援・外交努力の強化が求められている
私たちはこの世論をどう受け止めるか
日本でニュースを追う私たちにとって、この調査結果は、ガザ紛争をめぐる「世界の感覚」を映す一つの鏡と言えます。イスラエルや米国の政策をどう評価するかだけでなく、人道危機を前に何を優先すべきかという価値観そのものが問われています。
自分は即時停戦や二国家解決についてどう考えるのか。人道支援の拡大や外交的な働きかけに、どこまで重きを置くのか。今回のデータは、私たち一人ひとりにそんな問いを静かに投げかけています。
国際ニュースをただ「遠い国の出来事」として消費するのではなく、自分の視点や価値観を見直すきっかけとして、この世論調査の数字をどう受け止めるか考えてみることが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Poll shows near-universal opposition to Israel and 'accomplice' U.S.
cgtn.com








