テキサス州の米墨貿易に何が?国境で起きる静かなブレーキ video poster
米国とメキシコは、いまや互いに最大の貿易相手同士です。それでも2025年12月現在、アメリカ南部の国境では、肝心の貿易が思うように動いていません。とくにテキサス州で何が起きているのかを整理します。
米国とメキシコは「最大の貿易相手同士」
米国とメキシコは、互いに最大の貿易相手となる関係にあります。南北に伸びる国境を通じて、自動車関連の部品や農産物、エネルギーなど、多様なモノとサービスが日々行き来しています。
この南部国境の要となるのがテキサス州です。国境検問所や物流拠点が集中し、米墨貿易の「動脈」ともいえる存在になっています。
カナダへの関税引き上げとメキシコの立ち位置
2025年8月、トランプ米大統領はカナダに対する関税の引き上げに踏み切りました。一方で、隣国メキシコはこの関税引き上げの対象から外れました。
「メキシコは関税ショックを免れた」とも受け取れる状況ですが、だからといって国境の貿易が順調というわけではありません。とくにテキサス州では、米墨間の取引が「苦戦している」と現場から報告されています。
テキサス州の国境で見える静かなブレーキ
中国の国際ニュースチャンネルCGTNのアラステア・ババーストック記者は、テキサス州から、米墨貿易が伸び悩む現状を伝えています。互いに最大の貿易相手同士であるはずの両国の間で、なぜ国境のビジネスが思うように回らないのでしょうか。
一般に、国境をまたぐ貿易が滞る背景としては、次のような要因が重なっていることが多いです。
- 安全保障や治安対策に伴う検査強化で、トラックや貨物の待ち時間が長くなる
- 橋や道路、港湾など国境インフラの容量不足や老朽化
- 関税や貿易協定をめぐる政策の先行きが見えず、企業が投資や生産計画に慎重になる
こうした要因が重なると、日々の通関に時間とコストがかかり、現場の企業や労働者に負担がのしかかります。テキサス州の国境も、その典型的な課題に直面しているといえます。
国境の停滞は地域経済にどう響くか
国境貿易が「苦しい」状態になると、まず打撃を受けるのは現場に近い人たちです。物流企業やトラック運転手、倉庫業者、そして国境の町で商売をする中小ビジネスなどです。
貨物の回転が落ちれば、積み荷1台あたりの収益は変わらなくても、全体としての売上や雇用はじわじわ圧迫されます。さらに、国境での遅れは、米国側・メキシコ側のサプライチェーン全体にも波及していきます。
日本の読者にとっての意味
一見すると、テキサス州とメキシコの国境で起きている出来事は、日本から遠い話に思えるかもしれません。しかし、グローバルなサプライチェーンを通じて、米墨間の貿易は世界経済と深く結びついています。
米国とメキシコの国境を経由する部品や製品の流れが滞れば、その先にいる世界の消費者や企業まで影響が及びます。最終製品の価格や納期が変わる形で、日本の企業や生活者が間接的な影響を受ける可能性もあります。
ニュースを見るときの視点:政策と現場をセットで
関税の引き上げといった大きな政策のニュースは、どうしても注目を集めます。しかし、実際の貿易の「動き」は、国境の検問所や物流センターといった現場で決まります。
2025年12月の今、テキサス州の国境で起きている米墨貿易の停滞は、政策と現場のギャップが可視化された一例といえます。国際ニュースを追うときには、首都での政治的な動きとあわせて、テキサスのような国境地域の様子にも目を向けることで、より立体的な理解につながるはずです。
Reference(s):
cgtn.com








