イスラエル、ガザ市を少なくとも半年掌握へ 80万人避難計画と国際的反発
イスラエルがガザ市を少なくとも半年間にわたり掌握する計画を進めていると報じられました。大規模な住民避難と地上作戦、人道支援の拡大、そして国内外の強い反発が同時に進行しています。
ガザ市「少なくとも半年掌握」計画の中身
イスラエル国営のカンTVニュースは、治安当局の高官の話として、イスラエル軍がガザ市の掌握を少なくとも半年間続ける計画だと伝えています。この報道は、安全保障内閣が作戦計画を承認した翌日に出されたものです。
報道によれば、イスラエル軍はガザ市を段階的に制圧し、長期的に軍事的な支配を維持することを想定しています。
段階的なタイムライン
カンTVニュースが伝えた主な計画は、次のような流れです。
- 今後2週間以内に、ガザ市の住民80万人以上を、ガザ南部アル・マワシの「人道ゾーン」へ避難させる
- 約1か月後には、予備役の師団が、すでにガザ地区に展開している5個師団に合流する
- 約2か月後から、ガザ市で激しい地上作戦を本格的に開始する
- ガザ市の掌握は、少なくとも6か月以上続く見通しとされている
住民避難、部隊増強、本格的な地上戦という三つの段階を経て、長期戦を前提とした作戦が組まれていることが分かります。
人道支援トラックは「4倍」に
軍事作戦のエスカレーションと並行して、イスラエルはガザへの人道支援を拡大するとしています。報道によると、ガザに入る支援トラックの数を1日あたり1200台まで増やし、現在の4倍にする計画です。
一方で、80万人以上の住民を短期間で移動させるという規模の避難と、激しい地上戦の開始が同時進行することになれば、避難先の環境や物資の配分、医療体制など、人道面での課題はさらに深刻になる可能性があります。
「国際法違反」との批判 イスラエル国内でも反対の声
この決定は、イスラエル国内外で強い反発を招いています。イスラエル国内では、一部の軍関係者や、ガザに拘束されている人質の家族からも反対の声が上がっていると伝えられています。
批判する側は、この軍事計画が国際法に反し、すでに深刻なガザの人道危機をさらに悪化させ、停戦に向けた取り組みを損なうものだと主張しています。
テルアビブ「人質広場」に数千人
イスラエルでは、テルアビブの「人質広場」と呼ばれる場所に数千人が集まり、ガザで拘束されているイスラエル人の解放と、紛争終結のための合意を求めて抗議デモが行われました。
人質の家族やその支援者たちは、軍事作戦の拡大がかえって人質の安全を危うくし、政治的な妥協の余地を狭めるのではないかと懸念しています。
トルコでの抗議とエルドアン大統領の発言
抗議の動きはイスラエル国外にも広がっています。トルコでは、イスタンブールのベヤジット広場に数千人が集まり、ガザでの作戦に抗議するデモが行われました。参加者たちは、イスラエルを非難するスローガンを叫び、ガザが飢えさせられていると訴える横断幕を掲げたと伝えられています。
トルコのレジェプ・タイイップ・エルドアン大統領は、パレスチナのマフムード・アッバス氏と電話で協議し、イスラエルがガザを全面的な軍事支配下に置こうとする計画を「絶対に受け入れられない」と強く非難しました。
エルドアン大統領はまた、パレスチナ国家樹立を求める欧州での声の高まりを歓迎するとともに、西側諸国の中でもイスラエルへの批判が強まっていると指摘しました。
今後の焦点:長期化する作戦と人道危機
今回の報道が示しているのは、ガザ市での軍事作戦が「短期決戦」ではなく、少なくとも半年以上続く長期的な局面に入ろうとしているということです。これは、ガザの住民だけでなく、イスラエル社会、そして周辺地域と国際社会にとっても大きな負担となります。
今後の主な焦点として、次のような点が挙げられます。
- 大規模な住民避難がどの程度安全かつ組織的に行われるのか
- 1日1200台とされる人道支援が、現地の需要にどこまで応えられるのか
- 人質解放や停戦に向けた外交交渉が、軍事作戦の拡大とどう両立しうるのか
- トルコや欧州をはじめとする国際社会の圧力が、イスラエルの作戦計画に影響を与えるのか
イスラエルのガザ市掌握計画は、現地の人道状況だけでなく、中東全体の安定と国際政治のバランスにも長期的な影響を及ぼす可能性があります。今後数週間から数か月にわたり、現地での軍事行動と外交の動きを慎重に見ていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








