欧州、トランプ・プーチンのアラスカ会談にウクライナ参加を要求
今週アラスカで予定されるトランプ米大統領とプーチン露大統領の首脳会談を前に、欧州各国とウクライナが「ウクライナ抜きの和平はない」として、交渉の場への正式な参加を強く求めています。
欧州がそろって「ウクライナの席」を要求
今回の米ロ首脳会談は、3年に及ぶウクライナでの戦争をめぐり、停戦や和平の糸口を探ることが目的とされています。米政府高官は、ウクライナが米ロ交渉の枠組みに加わる可能性に言及し、交渉フォーマットの柔軟性を示しました。
しかしEUは、「当事者であるウクライナ抜きで合意をまとめるべきではない」として、より踏み込んだ姿勢を示しています。外交筋によると、欧州側はキーウだけでなく、ドイツやフランスなど欧州主要国も何らかの形で関与する枠組みを模索しているとされています。
今週のアラスカ会談とEUの段取り
トランプ大統領とプーチン大統領は、今週金曜日、米アラスカ州で会談に臨む予定です。米国のNATO(北大西洋条約機構)大使マシュー・ホイッテカー氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領が今週の米ロ首脳会談に出席する可能性があると述べました。ただし、最終的な決定権はトランプ大統領にあり、ホワイトハウスから正式な発表はまだ出ていません。
一方、EU外相会合はきょう月曜日、ビデオ会議形式で開かれる予定で、ウクライナのアンドリー・シビガ外相も参加します。会合では、アラスカ会談に向けた欧州側のメッセージや、ウクライナをどのような形で交渉に組み込むかが主要な議題になるとみられます。
ゼレンスキー大統領の警戒感と電話外交
米ロ首脳会談の開催が発表されて以降、ゼレンスキー大統領はドイツ、イギリス、フランスなど13か国の首脳と立て続けに電話会談を行い、「ウクライナ抜きで将来を決めるような合意は受け入れられない」との考えを伝えてきました。
ドイツのメルツ首相は、ウクライナ大統領が首脳会談に参加すると「期待しているし、そうなると考えている」と述べ、ゼレンスキー氏の出席を支持しました。デンマークやエストニア、フィンランド、アイスランド、ラトビア、リトアニア、ノルウェー、スウェーデンの北欧・バルト8か国の首脳も、「キーウの関与なしに決定が行われるべきではない」と共同で強調しています。
EUの外交政策を統括するカヤ・カラス外交トップも、ウクライナでの戦争を終わらせるいかなる米ロ合意も、ウクライナとEUを含む形でなければならないとし、欧州側の一体感をアピールしました。
戦況:北部スムイ州で村を奪還
ウクライナ軍は北部スムイ州で、ロシア軍に占拠されていた前線の村を奪還したと発表しました。この地域ではロシア軍が最近、大きな前進を遂げていたとされ、ウクライナ側にとって象徴的な反撃となります。
奪還した村は、北部で激しい戦闘が続く主戦場から西に約20キロの位置にあるとされます。局地的な戦果があったとはいえ、戦線全体ではロシア軍が依然として優勢な地域も多く、戦場の状況が交渉の力学に与える影響にも注目が集まっています。
ロシアの条件とウクライナの「越えられない一線」
モスクワは、いかなる和平合意に先立つ前提条件として、ウクライナ軍が特定の地域から撤退し、中立国となること、米国やEUからの軍事支援を断念すること、そしてNATO加盟の道を閉ざすことなどを求めています。
これに対しキーウは、自国の主権領土に対するロシアの支配を決して認めないと明言しています。その一方で、ロシアが占拠した領土を戦場だけで取り戻すことは現実的ではなく、最終的には外交交渉のなかで解決策を見いださざるを得ない、という認識も示しています。
欧州安全保障への意味:なぜ「席に着くこと」が重要か
欧州がここまでウクライナの参加にこだわる背景には、ウクライナの主権尊重という原則だけでなく、自らの安全保障への直結した懸念があります。ウクライナでの戦争の行方は、欧州の国境線や安全保障秩序を長期的に左右しかねないからです。
もしウクライナ不在のまま米ロ間で合意がまとめられれば、当事国の意思や市民の声が十分に反映されないまま、国境や安全保障の枠組みが決められるおそれがあります。欧州各国は、こうした「頭越しの合意」が将来の不安定要因になりかねないと見ています。
今後の焦点:誰がテーブルにつくのか
今週の動きを通じて、次の点が大きな焦点になりそうです。
- トランプ大統領がゼレンスキー大統領の首脳会談への正式参加を認めるかどうか
- EUがどのような立場とフォーマットで交渉プロセスに関与するのか
- ロシアの提示する条件とウクライナの「越えられない一線」の間に、妥協の余地があるのか
3年に及ぶ戦争の行方を左右しかねないアラスカでの米ロ首脳会談。その交渉のテーブルに誰が座り、どこまで当事者の声が反映されるのかが、今週の国際ニュースの大きな注目点になっています。
Reference(s):
cgtn.com








