イスラエル軍がガザ新攻勢計画を承認 ガザ市制圧方針に国際的懸念
イスラエル軍がガザ新攻勢の枠組みを承認
イスラエル軍は水曜日、ガザ地区での新たな軍事攻勢に向けて、作戦計画の「主な枠組み」を承認したと発表しました。安全保障閣議がガザ市の制圧を求めてから数日後の動きで、すでに続いているガザでの戦闘がさらに拡大するのではないかとの懸念が広がっています。
今回のポイント
- イスラエル軍トップがガザ新攻勢の作戦枠組みを承認
- ガザ市への本格的な侵攻時期は明示されず
- ガザ市で空爆が一段と激化、住宅地域への被害が拡大
- ハマス代表団がカイロで一時停戦に向けた予備協議
- 国連や各国が戦争拡大に強い懸念、飢餓の危機も警告
ガザ市制圧へ向けた「新攻勢」計画
イスラエル軍の発表によると、軍の統合参謀本部議長であるエイヤル・ザミール中将が、ガザ地区での作戦計画について「主な枠組み」を承認しました。声明は、イスラエル軍が今後ガザでどのような軍事行動を展開するかの基本方針を固めたことを示しています。
これに先立ち、イスラエルの安全保障閣議は、ガザ地区最大の都市であるガザ市の制圧を目指す方針を打ち出しています。ただし、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる政権は、地上部隊がガザ市に本格的に進攻する具体的な時期については示していません。
ガザ市には、これまでの攻勢から逃れてきた多くの人々が避難しているとされ、軍事作戦が拡大した場合、市民への影響が一段と深刻化する可能性があります。
激化する空爆とガザ市民への影響
ガザの民間防衛当局によると、最近、ガザ市へのイスラエル軍の空爆は一段と激しさを増しているといいます。市内のザイトゥーン地区やサブラ地区といった住宅街が、「民間住宅を狙った非常に激しい空爆」に見舞われており、高層建築物が含まれている可能性も指摘されています。
こうした状況のもと、国連の支援を受けた専門家らは、ガザ地区で広範な飢饉が進行していると警告しています。報告によれば、イスラエルがガザに許可する人道支援物資の量は大幅に制限されており、食料や医薬品、燃料などの不足が深刻化しているとされています。
軍事作戦の拡大は、すでに不安定な人道状況にさらに圧力を加える可能性があり、今後の攻勢の内容と規模が国際社会から注視されています。
一時停戦に向けたカイロ協議の動き
軍の計画承認のニュースは、ハマス側がエジプトの首都カイロでの協議に向けて代表団を派遣したと発表した数時間後に伝えられました。ハマスによると、この訪問はエジプト当局との「一時停戦」に関する予備協議のためのものだとされています。
ガザでの戦闘は、2023年10月のハマス側の攻撃をきっかけに始まり、それから22カ月以上にわたって続いてきました。イスラエル側は、ハマスの軍事能力の無力化を目標に戦闘を継続しており、一方でガザでは多数の市民が犠牲になり、避難と生活の困難に直面しています。
今回のカイロでの動きは、戦闘の一時停止や人道支援の拡大につながる可能性がある一方、イスラエルの新たな攻勢計画承認と同時進行していることから、情勢はなお不透明なままです。
戦争拡大に国際社会から批判
ネタニヤフ政権が、22カ月以上に及ぶガザでの戦闘をさらに拡大しようとしていることに対して、イスラエル国内外で批判の声が強まっています。国内では、戦闘の長期化や犠牲者の増加に懸念を示す意見も出ており、政治的な緊張も続いています。
国際社会からも、ガザでの新たな攻勢をめぐり厳しい視線が向けられています。欧州の同盟国の多くは、戦争拡大の計画に懸念を表明し、人道状況の悪化を止めるべきだと主張しています。
日曜日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合では、常任理事国5カ国のうち、中国、フランス、ロシア、英国の4カ国が、イスラエルの計画に強く反対したとされています。安保理の場で、複数の主要国が明確な懸念を示したことは、今回の新攻勢計画が国際的にも大きな論点となっていることを浮き彫りにしています。
犠牲者数が示す戦闘の重さ
これまでの戦闘による犠牲者数も、事態の深刻さを物語っています。フランス通信(AFP)が公式発表をもとに集計したところによると、2023年10月のハマス側の攻撃では、1,219人が死亡しました。
その後のイスラエル軍によるガザ地区での攻勢では、ハマスが実効支配するガザの保健当局の数字に基づき、少なくとも6万1,599人のパレスチナ人が死亡したとされています。この数字については、国連も信頼できるものだとみなしているとされています。
多数の犠牲者と長期化する戦闘、人道危機、そして新たな軍事作戦の準備。これらが重なり合うなかで、ガザ情勢は今もなお、国際ニュースの中でも最も緊迫したテーマの一つとなっています。
これからの焦点はどこか
イスラエル軍が作戦の枠組みを承認したことで、今後の焦点は次のような点に移りつつあります。
- イスラエルがガザ市への本格的な地上攻勢にいつ、どの規模で踏み切るのか
- カイロでの予備協議が、一時停戦や人道支援拡大につながるかどうか
- 国連や各国の働きかけが、戦闘の抑制や政治的解決の道筋をつくれるのか
- 飢餓や医療崩壊など、ガザの人道状況のさらなる悪化をどう防ぐか
ガザ情勢は、軍事、外交、人道の三つの次元が複雑に絡み合っています。日本からこのニュースを追う私たちにとっても、単なる遠い地域の紛争としてではなく、「長期化する戦闘のコスト」と「人道危機の重さ」をどう受け止めるかが問われていると言えるでしょう。
Reference(s):
Israel military says it has approved a plan for new Gaza offensive
cgtn.com








