南京事件を描く映画『Dead to Rights』、ロサンゼルスで北米プレミア video poster
南京事件を題材にした中国制作の歴史映画『Dead to Rights』が、ロサンゼルスで北米プレミアを迎えました。CGTN Americaが共同主催したこの上映会には、映画制作者や文化人、歴史研究者らが集まり、第二次世界大戦期の悲劇をどう記憶し、次世代へ伝えていくのかをめぐる対話の場となりました。
ロサンゼルスで北米プレミア CGTN Americaが共同主催
今回の北米プレミアは、ロサンゼルスの映画館で行われ、CGTN Americaが共同主催しました。会場には、映画関係者だけでなく、歴史や文化を専門とする研究者も参加し、作品を通じて歴史を振り返る意義について意見を交わしました。
主催者や参加者は、1937年の南京事件という重いテーマを、北米の大きなスクリーンを通じて紹介することで、国や地域を超えた理解と対話が生まれることに期待を寄せています。
南京事件を描く『Dead to Rights』とは
『Dead to Rights』は、1937年に起きた南京事件を正面から取り上げた歴史映画です。第二次世界大戦における最も暗い章の一つとされるこの出来事を、北米の観客に届けることを目指しています。
大量の市民が犠牲となった戦時下の現実を描き出すことで、戦争がもたらす暴力と破壊、そして市民生活への深刻な影響を見つめ直すきっかけになり得る作品だと位置づけられています。
戦後80年の節目の年に
2025年は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年にあたる節目の年です。このタイミングで、南京事件を題材にした映画が世界のスクリーンに広がろうとしていることは、歴史をどう記憶し共有していくのかを改めて問いかける動きとも言えます。
こうした歴史映画が持つ意味として、次のようなポイントが挙げられます。
- 若い世代に、教科書だけでは伝わりにくい戦争の現実を視覚的に伝える
- 異なる歴史経験を持つ国や地域の人びとが、共通の作品を通じて対話するきっかけをつくる
- 特定の国や地域を非難するためではなく、戦争と暴力そのものの悲惨さを共有し、平和について考える土台を広げる
ロサンゼルスでのプレミアも、こうした広い文脈の中で位置づけられています。
オーストラリア・ニュージーランドから世界へ
『Dead to Rights』は、まず2025年8月7日にオーストラリアとニュージーランドで公開されました。その後の発表によると、北米や欧州、アジアでも幅広い展開が予定されています。
これまでに公表されている主な公開計画は次の通りです。
- 8月7日: オーストラリア/ニュージーランドで公開
- 8月15日(当初の予定): 米国で250館以上の映画館にて公開、合計2万回以上の上映を計画
- イギリス、ドイツ、フランス、ロシア、韓国、マレーシア、シンガポールなど、他の国々でも観客に作品を届ける予定
こうした広範な公開計画は、南京事件というテーマが特定の地域の歴史ではなく、世界全体で共有すべき戦争の記憶であるというメッセージを帯びています。
歴史をめぐる対話をどう深めるか
ロサンゼルスでの北米プレミアには、映画制作者、文化人、歴史家が顔をそろえました。彼らが共通して期待しているのは、作品が単に「悲しい物語」として消費されるのではなく、観客同士の対話や社会的な議論につながっていくことです。
観客の立場から考えると、次のような問いが浮かびます。
- 史実に基づく歴史映画を観るとき、私たちはどのような姿勢で向き合うべきか
- 強い感情を呼び起こす映像表現を、他者への憎悪ではなく、理解と共感にどう結びつけていくか
- 戦争体験の風化が進む中で、映像作品を通じてどのように記憶を継承していくか
『Dead to Rights』のような作品が、これらの問いにすぐに答えを与えてくれるわけではありません。しかし、歴史の暗い章に光を当て、その出来事を知らない世代にも届く形で提示することで、考えるための出発点を提供してくれます。
ロサンゼルスでの北米プレミアを皮切りに、この映画が世界各地でどのように受け止められ、どのような議論が生まれていくのか。戦後80年という節目の中で、その行方に静かな注目が集まっています。
Reference(s):
CGTN America co-hosts Dead to Rights premiere in Los Angeles
cgtn.com








