米財務長官、政府のビットコイン売却停止を表明 保有額は最大2兆円規模
米国のビットコイン(暗号資産)保有をめぐり、大きな方針転換です。アメリカの財務長官スコット・ベッセント氏は木曜日(現地時間)、政府が保有するビットコインの売却を停止し、その残高は約150億〜200億ドル相当になっていると明らかにしました。本記事執筆時点(2025年12月8日)現在、世界の暗号資産市場はこのニュースの行方を注視しています。
何が発表されたのか
ベッセント財務長官は木曜日の発言で、米政府が保有するビットコインの準備残高について説明しました。
その内容は大きく二点です。
- 政府が保有するビットコインの価値は、およそ150億〜200億ドルと試算されていること
- 政府は今後、保有するビットコインを市場で売却することをやめる方針であること
これまで米政府は保有するビットコインを売却してきましたが、今回の発表は、その売却を当面停止するという明確なメッセージとなります。
規模感はどれくらい? 150億〜200億ドルのインパクト
今回明らかになった保有額は、およそ150億〜200億ドルという巨額の水準です。1ドル=150円と仮に換算すると、約2兆2500億〜3兆円規模となり、単一の機関としても世界有数のビットコイン保有主体であることをうかがわせます。
こうした大口保有者が市場で売却を続ければ、その都度、価格の下押し要因として意識されやすくなります。逆に、売却停止は「少なくとも政府からの継続的な売り圧力は弱まる」というメッセージとして受け止められる可能性があります。
なぜ「売却停止」が重要なのか
政府レベルのビットコイン保有は、単なる投資判断というより、金融・財政政策や犯罪対策とも関わるテーマです。今回の決定は、少なくとも当面、米政府がビットコインを一気に手放さず、保有を続ける方向性を示すものといえます。
背景には、次のような論点があると考えられます。
- 市場安定への配慮:大規模な売却が価格急落や市場混乱につながるリスク
- 政策オプションの確保:将来の規制・税制やデジタル資産戦略を検討する上で、実際にビットコインを保有していることの意味
- 資産の多様化:伝統的な国債や金などに加え、新しい資産クラスをどの程度取り入れるかという長期的な議論
投資家にとってのポイント
では、このニュースを個人投資家や企業はどう受け止めればよいのでしょうか。短期の値動きだけでなく、中長期のルールづくりという視点も重要になります。
- 米政府がビットコイン売却を停止することで、短期的には市場心理がやや落ち着く可能性がある
- 一方で、保有継続は今後の規制強化や課税ルール整備とセットで進む可能性もあり、長期的な政策動向のウォッチが欠かせない
- 他の国や地域が、米国の動きを参考にしながら自国のデジタル資産政策を検討する流れが強まることも考えられる
これからの論点:国家とビットコインの距離感
本記事執筆時点の2025年12月8日現在、各国は中央銀行デジタル通貨やステーブルコインなど、さまざまなデジタル資産の扱いを模索しています。そうした中で、米政府が巨額のビットコインを保有したまま売却を止めるという判断は、「国家とビットコインの距離感」を測る一つの材料になりそうです。
今後は、次のような点に注目が集まりそうです。
- 米財務省がビットコイン保有の目的や運用方針をどこまで明らかにするか
- 議会や規制当局の議論の中で、今回の決定がどのように位置づけられるか
- 他国がビットコインやその他の暗号資産をどのように公的資産として扱っていくのか
政府がデジタル資産とどう向き合うのかは、投資家だけでなく、金融システム全体の将来像にも関わるテーマです。ニュースの一報だけで一喜一憂するのではなく、その背後にある政策の流れを長いスパンで追いかけていくことが求められています。
Reference(s):
U.S. treasury secretary says government to stop selling Bitcoin
cgtn.com








