第13回国際慰安婦メモリアルデー 減りゆく生存者とソウルの抗議 video poster
2025年は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年の節目となりました。その夏、13回目の国際慰安婦メモリアルデーに合わせて、減り続ける生存者とともに、この歴史をどう記憶し、次の世代に伝えるのかという問いがあらためて突きつけられています。
国際慰安婦メモリアルデーとは
国際慰安婦メモリアルデーは、毎年8月14日に行われる記念日です。2012年に韓国、中国、日本などの市民団体が共同で定め、第2次世界大戦中の日本軍の戦時性奴隷制度によって被害を受けた人々を追悼する日として続けられてきました。
いわゆる「慰安婦」と呼ばれる存在は、日本軍の兵士に性サービスを提供させるため、若い少女や女性たちが強制的に連行された制度の被害者を指します。戦後長く沈黙を強いられてきたこの問題は、今も国際社会の人権課題の一つとして位置づけられています。
80年目の節目と、減りゆく生存者
2025年という80年目の節目の年は、この記念日に新たな注目を集めるきっかけとなりました。一方で、時間の経過とともに生存者の数は確実に減っています。
韓国では今年2月、元慰安婦のギル・ウォンオクさんが亡くなり、地元メディアによると生存者は6人だけになりました。中国湖南省でも5月に96歳の生存者が亡くなり、中国本土(中国)で登録されている生存者は7人となったと伝えられています。
生存者が高齢化し、証言できる人が少なくなるほど、「記憶をどう残すのか」がいっそう重い課題になっています。
ソウル日本大使館前で続く抗議
国際慰安婦メモリアルデーの前日となる8月13日の水曜日、ソウルの日本大使館前には、今年も多くの市民が集まりました。長年続いてきたこの場で、参加者たちは日本政府に対し、正式な謝罪と適切な補償を求めました。
日本軍の性奴隷制度の被害者で、現在96歳のイ・ヨンスさんは、雨の中で集まった人々を前に次のように語りました。「こんなに雨が降っているのに、皆さんがここにいてくれて涙が出ます。本当に、本当にありがとう」。長年、証言活動の先頭に立ってきたイさんの言葉は、静かに集会の空気を引き締めました。
「声を上げなければ忘れられてしまう」若い世代の参加
現場には若い世代の姿も目立ちました。ソウルで抗議に参加していたチェ・イェジさんは、「私たちが声を上げて存在を示さなければ、人々は耳を傾けません。今でさえ、ほとんど聞いてくれないのです。だからこそ、忘れられてしまうくらいなら、私たちは行動し続けます」と話します。
チェさんの言葉は、メモリアルデーが単なる年中行事ではなく、「忘却」と闘うための市民の実践であることを象徴しています。
教育と資料でつなぐ歴史
韓国の市民団体「韓国国連人権政策センター」理事長のシン・ヘイスさんは、歴史を次の世代に手渡す重要性を強調します。「残そうとし、次の世代に教えようとする意志があれば、この歴史は生き続ける」とシンさんは語ります。
シンさんは、市民団体が今後も学生や一般の人々に向けて、集会やデモンストレーション、そして国内の博物館に保存された資料などを通じて教育活動を続ける必要があると呼びかけました。現場での体験と、文書や展示物の両方を組み合わせることで、抽象的な「歴史」を自分事として感じてもらおうという試みです。
推計40万人、アジア各地に広がった被害
上海師範大学の慰安婦研究センターによる推計では、日本軍による戦時性奴隷制度の被害者は、アジアの十数カ国と地域にわたり約40万人に上るとされています。そのおよそ半数は中国の女性だったといいます。
一人ひとりの人生や家族の物語を想像するとき、数字が示す被害の規模の大きさが、あらためて重くのしかかります。
日本にいる私たちへの問いかけ
1991年に元慰安婦が初めて公に証言して以来、「過去は薄れていくかもしれないが、正義を求める闘いは終わっていない」というメッセージは一貫してきました。今年の国際慰安婦メモリアルデーも、そのメッセージを静かに、しかしはっきりと伝えています。
日本に暮らす私たちにとって、この問題はときに「遠い過去の歴史」として扱われがちです。しかし、生存者の数が減る中で、彼女たちの声に直接耳を傾けられる時間には限りがあります。ソウルの路上での集会や、各地の博物館に残された資料は、「忘れないでほしい」という小さくも切実なサインでもあります。
国際ニュースとしてこの問題を眺めるだけでなく、なぜ彼女たちは今も行動し続けているのか、自分なら何を感じ、どう向き合うのか。一人ひとりがそう問い直すことから、次の対話が始まっていきます。
Reference(s):
Protest, fewer survivors mark 13th Intl Comfort Women Memorial Day
cgtn.com








