ペルー2025年国勢調査、中国系子孫「トゥサン」を初めて明記へ video poster
ペルーで2025年に実施される国勢調査で、中国からの移民の子孫を指す「トゥサン」アイデンティティが、同国の歴史上初めて明示的な分類として認められることになりました。国勢調査という国家の基本データに新たなアイデンティティが加わることで、ペルー社会の多様性がどのように可視化されていくのかが注目されています。
ペルーの2025年国勢調査で何が変わるのか
今回の変更点は、ペルーの2025年国勢調査において、中国系のルーツを持つ人々が「トゥサン」として明確にカウントされるようになるというものです。これまで国勢調査で、中国系住民の子孫がどのように扱われてきたかについては詳しくは伝えられていませんが、「明示的に含まれる」のが初めてであることが強調されています。
このニュースは、国際ニュースを伝えるメディアの一つであるCGTNの記者、ダン・コリンズ氏が首都リマから報じています。現地からの報道で取り上げられたという事実自体が、この動きがペルー国内だけでなく、世界的にも関心を集めていることを示しています。
「トゥサン」とはどのような人々か
「トゥサン(Tusán)」とは、ペルーに暮らす中国からの移民の子孫を指す言葉です。今回の決定により、トゥサンとしての自己認識を持つ人々が、国勢調査の設問の中で自らのアイデンティティを選択できるようになります。
国勢調査において「自分をどう名乗れるか」は、単なるラベル以上の意味を持ちます。国家統計の分類に名前が載るかどうかは、そのコミュニティの存在が社会的にどのように認識されるかとも深く結びついているからです。
国勢調査でルーツが問われることの意味
国勢調査は、人口規模や年齢構成だけでなく、社会の構造や多様性を知るための基盤となるデータです。そこに新たなアイデンティティが加わることには、いくつかの重要な意味があります。
- 政策づくりの根拠になる:特定のコミュニティの人口規模や地域ごとの分布がわかれば、教育、医療、社会サービスなどの政策を検討する際の重要な指標になります。
- 見えない存在を「見える化」する:統計上カウントされない集団は、議論や政策の場からも抜け落ちがちです。トゥサンが明示的に含まれることで、その存在がより可視化されます。
- アイデンティティの承認:公的な調査項目として名称が記載されることは、国家レベルでそのアイデンティティが認められたという象徴的な意味を持ちます。
多文化社会としてのペルーを映す鏡
ペルーは、先住の人々やヨーロッパ、アジアなど多様なルーツを持つ人々が暮らす社会です。2025年国勢調査でトゥサンが明記されることは、そうした多文化性をより細やかに映し出そうとする試みとも言えます。
こうした動きは、単に「新しい項目が追加された」という技術的な話ではありません。どのようなカテゴリーを設けるかは、社会が「誰を一員として認めるか」という、価値観に関わる選択でもあります。トゥサンの人々が自らのルーツを堂々と申告できることは、多文化共生をめざす上で重要な一歩と捉えることができます。
現地からの視点
このニュースは、CGTNのダン・コリンズ記者がリマから伝えています。現地を取材する記者の視点を通じて、統計の話にとどまらず、街の雰囲気や人々の受け止め方なども含めて伝えられているとみられます。
国際メディアが取り上げることで、ペルーにおけるトゥサンの存在や、中国からの移民の歴史的なつながりが、世界の読者にも意識される契機となります。アイデンティティをめぐる変化が、国境を越えて共有される時代だということも感じさせます。
日本の読者がこのニュースから考えられること
ペルーの事例は、日本を含む他の国々にも通じる問いを投げかけています。どのような人々が、どの名前で、統計の中に「現れる」のかという問題です。
- 多様なルーツを持つ人々が増える中で、国勢調査や各種統計は、その変化をどこまで丁寧に反映できているでしょうか。
- 自分のアイデンティティを自ら選んで名乗れることは、社会参加や自己肯定感にどのような影響を与えるでしょうか。
- 数としてカウントされることと、実際の生活改善や差別の解消をどう結びつけていくのかも、今後の大きなテーマです。
2025年のペルー国勢調査でトゥサンが初めて明記されるというニュースは、遠い国の話でありながら、私たち自身の社会の在り方や、統計に映らない「誰か」の存在について考える手がかりにもなります。
Reference(s):
Peru’s 2025 census to recognize Chinese descendants for first time
cgtn.com








