トランプ米大統領、ワシントンD.C.警察への連邦統制延長を議会に要請へ
アメリカのドナルド・トランプ大統領が、首都ワシントンD.C.の警察に対する連邦政府の統制を延長し、治安対策の権限を強化しようとしています。首都の「治安」と「自治」をどう両立させるかが、2025年現在あらためて問われています。
トランプ大統領、D.C.向け犯罪法案と統制延長を示唆
トランプ米大統領は水曜日、ワシントンD.C.の治安対策に関する犯罪法案を議会に提出し、首都警察への連邦統制を長期的に延長したい考えを示しました。発言はケネディ・センターでのイベント後、記者団に対して行われました。
大統領は、首都ワシントンを管轄するメトロポリタン警察(ワシントンD.C.警察)を念頭に、「我々は犯罪法案を必要としており、まずはD.C.に関するものになる」「30日間だけでは不十分で、長期の延長を求める」と述べ、現在の枠組みでは対応しきれないとの認識を示しました。
30日間の「犯罪緊急事態」宣言とは
これに先立つ月曜日、トランプ大統領はワシントンD.C.での犯罪緊急事態を宣言する大統領令に署名しました。ホワイトハウスによると、この宣言は「公務員、市民、観光客を守り、連邦政府が安全に機能できるようにする」ことを目的としています。
今回の緊急事態宣言は30日間の時限措置とされており、それ以上の延長には議会の承認が必要です。大統領があえて「長期の延長」に言及したことで、議会との間で治安対策のあり方や連邦政府の関与の範囲をめぐる議論が本格化する可能性があります。
州兵800人を動員、首都での存在感が増す連邦政府
火曜日の夜からは、ワシントンD.C.への州兵部隊の展開も始まりました。地元メディアによると、週末までに約800人の州兵が完全に配備される見通しだと、米陸軍の高官が明らかにしています。
州兵は、各州や首都などで非常時に治安維持や災害対応を担う部隊です。首都での展開は、連邦政府が治安問題に直接関与していることを国内外に強く印象づける動きと言えます。
「州昇格はばかげている」D.C.州昇格論への牽制
トランプ大統領は同じ場で、ワシントンD.C.を州として扱うべきだとする州昇格(ステートフッド)の動きにも言及しました。大統領は「州昇格はばかげている。我々はまずこの場所を立て直さなければならない」と述べ、批判的な立場を鮮明にしています。
ワシントンD.C.は、アメリカの首都として連邦直轄の特別区という位置付けにあり、50州とは異なる扱いを受けています。今回の連邦統制の強化は、長年続いてきたD.C.の自治権拡大や州昇格をめぐる議論とも密接に関わる可能性があります。
治安か自治か、問われるバランス
今回の一連の動きには、いくつかの論点があります。
- 短期の緊急事態宣言を、どこまで長期化させるべきか
- 首都の治安維持において、連邦政府と地元自治体のどちらがどこまで責任を負うべきか
- 治安対策の強化が、市民生活の自由や自治の拡大とどのように両立しうるのか
トランプ大統領が求める連邦統制の延長は、治安の向上を狙いとしつつも、連邦権限の拡大と受け止められる可能性があります。議会審議の過程で、これらの点がどこまで丁寧に議論されるかが注目されます。
日本の読者にとっての意味
日本の読者にとって、このニュースはアメリカ政治の動きとしてだけでなく、次のような問いを投げかけています。
- 安全と自由、治安と自治のバランスをどう考えるか
- 首都や大都市における治安悪化に、中央政府がどこまで介入すべきか
- 緊急事態が長期化したとき、その権限をどう監視し、どこで区切りを付けるのか
2025年の今、世界各地で治安や安全保障を理由とした権限強化の動きが見られます。ワシントンD.C.で進む議論は、その一つの象徴的なケースとして、今後も国際ニュースとして追い続ける価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








