イスラエルのガザ市攻勢計画に抗議拡大 人質解放求める声
イスラエルのガザ市攻勢計画、国内外で波紋
イスラエルがガザ市の軍事掌握に向けた攻勢を準備していることを受けて、国内外で抗議と懸念の声が強まっています。ガザ戦争の終結と人質解放を求める市民デモが各地で広がり、イスラエル社会の中でも軍事作戦のあり方をめぐる議論が一段と深まっています。
- イスラエル政府がガザ市掌握に向けた軍事作戦の実施方針を再確認
- 住民の南部退避計画とあわせて、国内外で強い批判と懸念
- 人質解放と戦争終結を求める大規模デモが全国約300か所で実施
- 元人質が「戦争の道は解決につながらない」と訴え、合意による解決を提案
ガザ市「掌握」へ ネタニヤフ首相が強硬姿勢
現地時間の日曜日、イスラエルのネタニヤフ首相は閣議で、軍がガザ地区の中心都市であるガザ市を掌握する方針をあらためて示しました。ガザ市はガザ地区の事実上の首都とされ、イスラエル側がまだ完全には支配していない数少ない主要地域の一つとされています。
ネタニヤフ首相は、戦闘の打ち切りを求める声に対し、「ハマスを撃破しないまま戦争終結を求める者たちは、ハマスの姿勢を硬化させ、人質解放を遅らせているだけでなく、『10月7日の惨劇』が繰り返されることを保証してしまう」と述べ、軍事作戦の継続が不可欠だと強調しました。
住民退避を伴うガザ市再攻勢の準備
イスラエル側は前日、ガザ市の住民に対し南部への退避計画を発表しており、ガザ北部での新たな大規模攻勢に向けた布石と受け止められています。ガザ市やガザ中心部の掌握を目指す今回の作戦は、ガザ地区に残る少なくない市民に重大な影響を与えるとみられ、こうした決定は国内外で抗議と非難を呼んでいます。
国内各地で数十万人規模の抗議デモ
こうした動きに対し、イスラエル国内では今なお拘束されている人質の解放と、ガザ戦争の終結を求める大規模な抗議デモが起きました。日曜日には、数万人規模の参加者が集まり、ネタニヤフ首相に対してハマスとの合意を早期に成立させるよう要求しました。
デモを主催した「人質・行方不明者家族フォーラム(Hostages and Missing Families Forum)」は、国内300か所以上で集会が開かれ、合計で数十万規模の人々が参加したとしています。参加者はイスラエル国旗とともに、人質問題を象徴する黄色の旗を掲げ、スローガンを叫びながら太鼓を打ち鳴らしました。
ガザ市やガザ中心部で予定されている軍事作戦は、依然として拘束されている49人の人質の安全を脅かしかねないと懸念されています。デモ隊の中には、「ガザ征服=人質への死刑宣告」と書かれたプラカードが掲げられ、「人質の命を犠牲にして戦争に勝つことはできない」と訴える声も聞かれました。
元人質が訴える「理性的な計画」と相互の安心
デモには、かつて拘束されていた元人質のガディ・モーゼス氏も参加しました。モーゼス氏は、参加者に向けて「戦争の道は、どんな解決にもつながらない」と語り、武力による「ハマスの壊滅」を唱える声に異議を唱えました。
同氏は、たとえハマスを排除しても、別の組織が台頭する可能性があると警告し、パレスチナの人々に利益をもたらすと同時に、イスラエル側にも繁栄と安全をもたらす「理性的な計画」を採用すべきだと主張しました。また、「どちらの側も恐れなくて済むような合意が必要だ」として、双方が受け入れられる形での政治的合意の重要性を強調しました。
軍事作戦と人質解放、市民保護のはざまで
ガザ市の掌握を目指すイスラエル政府の方針は、ハマスの軍事的能力をそぐことを狙う一方で、人質の安全やガザ地区の市民の暮らしに深刻な影響を与える可能性があります。今回の抗議デモは、イスラエル社会内部にも、軍事目標の達成と人命の保護をどう両立させるかという難しい問いが突き付けられていることを映し出しています。
今後、イスラエル政府がガザ市への攻勢をどのような形で進めるのか、人質解放をめぐる交渉がどこまで具体化するのかが焦点となります。戦争の継続か、停戦と合意による解決か──イスラエル国内から上がる市民の声は、ガザをめぐる国際ニュースの行方を考えるうえで、重要な手がかりになりそうです。
Reference(s):
Israel's planned Gaza City offensive sparks protests, condemnation
cgtn.com








