韓国の李在明大統領、南北合意の段階的履行を指示
大韓民国(韓国、Republic of Korea)の李在明大統領が、Democratic People's Republic of Korea(DPRK)との既存の南北合意を「できるところから」段階的に履行する方針を打ち出しました。2025年の朝鮮半島情勢を考えるうえで、重要な一歩となりそうです。
既存の南北合意を「段階的に履行」
韓国大統領府によると、李在明大統領は月曜日に開かれた閣議で、関係省庁に対し、DPRKとの既存の南北合意を段階的に履行するよう指示しました。まずは、現在の状況でも実行可能な項目から着手し、順次広げていく考えです。
ここでいう「既存の南北合意」には、過去の首脳会談や高官協議で取り決められた、軍事的緊張の緩和や交流協力の枠組みなどが含まれるとみられます。李大統領は、合意を空文句に終わらせず、現場レベルでの「履行」を進める姿勢を明確にしました。
「鉄壁の備え」と緊張緩和の両立
李大統領は閣議で、韓国が「鉄壁の備え」を維持しつつ、着実に緊張緩和の措置を進めていくと強調しました。抑止力を保ちながらも、対話と信頼醸成の余地を広げるという、二つの路線を同時に進めるアプローチです。
大統領はまた、「小石を積み上げるような小さな実践の積み重ねが、相互信頼を回復し、平和への道を広げ、最終的には双方が共に成長する土台になる」と述べました。すぐに劇的な変化を求めるのではなく、小さな合意や協力を一つ一つ積み上げることに重きを置いている姿勢がうかがえます。
解放記念日の演説と一貫したメッセージ
今回の方針は、李大統領が今年の解放記念日の演説で示したメッセージともつながっています。当時、大統領はDPRKとの間で緊張を和らげ、信頼を回復するための一貫した措置を取っていくと表明していました。
今回の「段階的履行」指示は、その演説での約束を、具体的な政策プロセスに落とし込んだものだと言えます。韓国国内外に対し、南北関係で「言葉だけでなく行動で示す」というメッセージを送る狙いも読み取れます。
2018年の「9・19軍事合意」を徐々に回復
李大統領はあわせて、2018年の南北首脳会談で締結された「9・19軍事合意」を段階的に回復していく考えも示しました。この軍事合意は、南北間の偶発的な衝突を防ぎ、軍事的信頼を築くことを目的としたものだと説明されています。
李大統領は、合意の回復を通じて、現場での予期せぬ衝突を避けつつ、南北が協力していくための土台を整えたい考えです。
今後の焦点はどこにあるか
今回の発表を受け、今後の南北関係と朝鮮半島の安全保障を考えるうえで、いくつかのポイントが浮かび上がります。
- どの南北合意から優先的に履行を始めるのか
- 「鉄壁の備え」と緊張緩和措置をどのようなペースで両立させるのか
- DPRK側が韓国の段階的履行にどう応じるのか
- 韓国国内の世論や政治勢力がこのアプローチをどう評価するのか
李大統領が掲げる「小さな実践の積み重ね」が、実際にどこまで南北の信頼回復と平和の道につながるのか。2025年の朝鮮半島情勢を見ていくうえで、今後の具体的な措置と両側の反応が重要な注目点となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








