ウクライナ危機巡りトランプ氏がゼレンスキー氏と欧州首脳会談 停戦と安全保障保証を協議
トランプ米大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と欧州の首脳らをホワイトハウスに招き、ウクライナ危機の停戦と安全保障保証を巡る協議を行いました。米国、ウクライナ、欧州、ロシアを巻き込むこの動きは、長引くウクライナ危機をどこまで転換できるのでしょうか。
ホワイトハウスに集結したウクライナと欧州の首脳
米国ワシントンのホワイトハウスで、ウクライナ危機の打開策を協議するための首脳会談が開かれました。トランプ米大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領と七人の欧州の指導者を招き、停戦や「安全保障保証」の在り方をめぐって意見を交わしました。
会談はまず、トランプ氏とゼレンスキー氏による二者協議から始まり、その後、欧州側の首脳らを交えた拡大会合に移りました。参加したのは次の各氏です。
- マーク・ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長
- 欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長
- 英国のキア・スターマー首相
- イタリアのジョルジャ・メローニ首相
- フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領
- ドイツのフリードリヒ・メルツ首相
- フランスのエマニュエル・マクロン大統領
トランプ氏「プーチン氏は終わらせたがっている」
二者協議後の共同記者会見で、トランプ大統領は、ロシアのプーチン大統領について「紛争を終わらせたいと考えている」との見方を示しました。そのうえで、ウクライナや関係各国と協力し、「平和が維持されるようにする」と強調しました。
トランプ氏は、ウクライナが求める安全保障上の保証について「進展があり、そのような保証が設けられる」と述べ、具体策の協議が進んでいることを示唆しました。
ゼレンスキー氏は外交的解決と三者会談を支持
ゼレンスキー大統領は、紛争を外交的に終結させる考えを改めて表明しました。また、ロシアとの和平協議に向け、トランプ氏とプーチン大統領を交えた三者会談に前向きな姿勢を示し、「三者会談の開催を歓迎する」との意向を示しました。
さらにゼレンスキー氏は、その三者会談では「領土問題を含むセンシティブな論点も議題になる」と述べ、ウクライナ危機の最も難しい争点にも踏み込む考えを示しました。
欧州首脳は停戦と「安全保障保証」を重視
二者協議の後に行われた拡大会合では、欧州側の首脳らがウクライナでの停戦の必要性と、同国への安全保障保証の枠組みづくりを支持しました。
共同会見でトランプ氏は、プーチン大統領がウクライナへの安全保障保証を受け入れることに同意したと述べ、「プーチン氏は解決策を見いだしたいと考えている」と語りました。
ドイツのメルツ首相は「次の会合が停戦なしに行われることは想像できない」と述べ、実質的な進展には少なくとも停戦の合意が不可欠だとの考えを示しました。
一方、フランスのマクロン大統領は、欧州も加わる四者会談の構想に言及しました。「安全保障保証について議論するということは、欧州大陸全体の安全保障について議論していることだ」として、欧州としてもウクライナ危機の枠組みづくりに直接関与すべきだと強調しました。
プーチン氏との電話協議と「トライラット」構想
報道によると、トランプ氏は欧州首脳らとの協議の途中でいったん席を外し、プーチン大統領に電話をかけました。会談後、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、トランプ氏は「会合の終了時にプーチン大統領に電話をかけ、プーチン大統領とゼレンスキー大統領の会談の調整を開始した」と説明しました。
トランプ氏によれば、まずプーチン氏とゼレンスキー氏による直接会談を実現させ、その後に両首脳に自身を加えた三者会談(トランプ氏は「トライラット」と呼称)を開く構想です。「その会談はできるだけ早く開くべきだ」とも述べ、早期開催への意欲を示しました。
アラスカでの米露会談から続く協議の流れ
今回のホワイトハウスでの一連の協議に先立ち、トランプ氏とプーチン氏は米国アラスカ州で約3時間にわたり会談していました。このアラスカでの会談では具体的な合意には至りませんでしたが、その直後にウクライナと欧州首脳を交えた場が設けられたことで、外交的解決に向けた新たな局面が開きつつあるとの見方も出ています。
今回の会談で見えた3つのポイント
今回のウクライナ危機を巡る会談からは、少なくとも次の3つのポイントが浮かび上がります。
- 1.停戦に向けた政治的勢い:トランプ氏、ゼレンスキー氏、欧州首脳らが、いずれも停戦と外交的解決を支持する姿勢を明確にしました。メルツ首相の発言からは、「次の会談までに停戦を」という強いメッセージが読み取れます。
- 2.ウクライナへの安全保障保証が最大の焦点に:トランプ氏は、プーチン大統領が安全保障保証を受け入れる用意があると述べました。どの国がどのような形でウクライナの安全を担保するのかは、今後の交渉の中核となりそうです。
- 3.米国・ロシア・ウクライナと欧州の役割分担:トランプ氏が構想する三者会談に加え、マクロン氏は欧州を含む四者会談の可能性を示しました。米露とウクライナに加え、欧州がどのように関与するかが、交渉の枠組みを左右するとみられます。
ウクライナ危機の行方は
ゼレンスキー大統領が領土問題を含む「センシティブな論点」にも踏み込む考えを示したことは、交渉が難しい局面に向かうことを予感させます。一方で、トランプ氏がプーチン氏との直接対話を続けながら三者会談の準備を進めると表明したことで、少なくとも対話のチャンネルは開かれています。
停戦の実現、そしてウクライナへの安全保障保証の具体化に向けて、今後いつ、どこで、どのような形の首脳会談が行われるのか。各国の利害が複雑に絡み合う中で、ウクライナ危機の行方から目が離せない状況が続きます。
Reference(s):
Trump, Zelenskyy, European leaders hold talks on Ukraine crisis
cgtn.com








