国連グテーレス氏、ガザ即時停戦を要求 西岸入植計画も「二国家解決への脅威」
国際ニュースとして注目されるガザ情勢で、国連のアントニオ・グテーレス事務総長がガザでの即時停戦と、ヨルダン川西岸での新たな入植計画の見直しを強く求めました。軍事作戦の拡大が予告される中、二国家解決への影響があらためて問われています。
ガザ市への軍事作戦を前に即時停戦を要請
イスラエルがガザ市の掌握を目指す軍事作戦の第一段階に着手すると発表したことを受け、グテーレス事務総長は木曜日、日本での会見でガザにおける即時停戦を強く呼びかけました。
事務総長は「ガザで直ちに停戦を実現することが不可欠です。そうしなければ、ガザ市への軍事作戦が必然的にもたらす死と破壊を避けることはできません」と述べ、作戦の本格化を避けるよう各当事者に訴えました。
ガザではすでに多くの市民が犠牲となり、インフラの破壊や人道状況の悪化が伝えられています。今回の発言は、軍事行動のさらなる拡大がもたらす被害への強い危機感を示したものといえます。
日本で開かれる東京アフリカ開発会議の場で
グテーレス事務総長は、日本で開かれている東京アフリカ開発会議に出席するため来日しており、その場でガザとヨルダン川西岸の情勢についても言及しました。アフリカ開発をテーマとする国際会議であっても、中東情勢が世界全体の安定に直結する問題として扱われていることがうかがえます。
ヨルダン川西岸E1地区での新たな入植計画を非難
ガザに関する発言に先立ち、グテーレス事務総長は、イスラエルの高等計画委員会(ハイヤー・プランニング・コミッティー)が占領下ヨルダン川西岸のE1地区で新たな入植住宅の建設を承認したことを強く非難しました。
国連事務総長の報道官ステファン・ドゥジャリック氏は声明で、「東エルサレムを含む占領下ヨルダン川西岸でのイスラエルの入植活動は、国際法に違反し、国連決議に真っ向から反するものです」と述べ、決定の撤回を求めました。
イスラエルの高等計画評議会は水曜日、合計3,753戸の住宅建設を承認し、そのうち3,401戸がE1地区での最終承認とされています。この計画は、マアレ・アドミーム周辺の入植地をつなぎ、ヨルダン川西岸と東エルサレムの間に連続した帯状の入植地を形成する構想とされています。
二国家解決への存在的脅威とは
声明はさらに、「この計画の推進は二国家解決に対する存在的な脅威となるでしょう。ヨルダン川西岸の北部と南部を分断し、パレスチナ被占領地の領土的一体性に深刻な影響を及ぼします」と警告しました。
二国家解決とは、イスラエルとパレスチナがそれぞれ独立した国家として共存するという構想を指します。その前提には、パレスチナ側が将来の国家として成り立つだけの連続した領土を持てるかどうかという問題があります。
E1地区での大規模な入植が進めば、ヨルダン川西岸の北と南が地理的に分断され、パレスチナ側の移動や経済活動がさらに制約される可能性があります。グテーレス事務総長が「存在的脅威」とまで表現した背景には、こうした地理的・政治的な影響への強い懸念があります。
国際社会に突きつけられる課題
今回の発言は、ガザでの軍事作戦とヨルダン川西岸での入植拡大という、二つの動きが同時進行している現状に対して、国連トップとして危機感を示したものです。
一方で、停戦の実現や入植計画の見直しには、現場の当事者だけでなく、国連加盟国や地域の関係国による継続的な外交努力が欠かせません。ガザでの即時停戦が実現するのか、そしてE1地区の入植計画がどこまで進むのかは、今後の中東和平の行方を左右する重要な焦点となります。
ガザとヨルダン川西岸をめぐる動きは、遠く離れた日本にとっても、国際秩序や人道のあり方を考えるうえで無関係ではありません。今回のグテーレス事務総長のメッセージをきっかけに、二国家解決や国際法の意味について、あらためてじっくり考えてみる必要がありそうです。
Reference(s):
UN chief urges ceasefire in Gaza, condemns new West Bank settlements
cgtn.com








