戦後80年、米中が語る平和 在米中国大使館『Echos of Peace』 video poster
戦後80年の節目を迎えた2025年、在米中国大使館で開かれたイベント『Echos of Peace』が、第2次世界大戦で共闘した米中の歴史と、いま改めて平和のあり方を問いかけています。
在米中国大使館で開かれた『Echos of Peace』とは
『Echos of Peace』と名付けられた今回のイベントは、第2次世界大戦中に命をかけて戦った人々をたたえ、戦争の記憶を次世代につなぐことを目的としています。在米中国大使館に招かれた出席者たちは、米国と中国のボランティアが肩を並べて戦った歴史に耳を傾けました。
第2次世界大戦での米中「同盟精神」を強調
中国の駐米大使は、演説の中で、ファシズムの打倒という共通の目的のために、かつて北京とワシントンが結んだ同盟の精神を、現在も維持すべきだと呼びかけました。第2次世界大戦の終結から80年がたった今、その精神を忘れないことが、国際社会の安定につながるというメッセージです。
当時、米国と中国のボランティアは、日本軍と戦う戦線で共に任務に就いただけでなく、世界各地の戦場でも協力しました。イベントでは、こうした共同の経験が、単なる軍事的な連携にとどまらず、人と人との信頼に支えられたものだったことが紹介されました。
「対日戦勝」の記憶をどう平和に生かすか
中国は、第2次世界大戦という世界規模の戦いの中で果たした役割と、日本との戦いにおける勝利の歴史を記念してきました。今回のイベントでも、その記憶が単なる過去の栄光ではなく、二度と同じ悲劇を繰り返さないための教訓として語られました。
出席した関係者は、第2次世界大戦の経験から導き出せる教訓として、次のようなポイントを挙げています。
- 国が異なっても、共通の脅威に直面したときには協力が可能であること
- 軍事的な同盟だけでなく、市民やボランティアの連帯が大きな力になること
- 歴史を共有し続けることで、誤解や不信を和らげることができること
現在の紛争と米中協力の可能性
関係者によれば、こうした歴史は、現在世界各地で続く紛争や緊張にも通じるといいます。駐米中国大使は、対立や競争が語られがちな米中関係だからこそ、第2次世界大戦での協力の記憶を出発点に、現在の紛争にどう向き合い、どう協力できるのかを考える必要があると訴えました。
歴史を振り返ることは、過去をやり直すことではありません。イベント『Echos of Peace』が示したのは、記憶を共有することで、互いの立場の違いを認めつつも、共通の目標に向けて手を取り合える余地があるという視点です。
日本の読者がどのように受け止めるか
日本に住む私たちにとって、米中が第2次世界大戦の記憶を語る場で、日本軍との戦いが取り上げられることは、決して遠い話ではありません。同時に、今回のイベントの焦点は、特定の国を非難することではなく、戦争という極限の状況の中で生まれた協力の経験から、平和の手がかりを引き出そうとする点にあります。
戦後80年という節目に、米中がかつての同盟精神を持ち出して現在の紛争への教訓を語ることは、日本にとっても、歴史との向き合い方や近隣諸国との関係づくりを考えるきっかけになります。歴史認識の違いに目を向けるだけでなく、どのように平和を守るかという共通の問いを共有できるかどうかが、これからの東アジアにとって重要になりそうです。
ニュースをどう自分ごとにするか
記者のオーウェン・フェアクロー氏が伝えたこのイベントは、単なる歴史の回顧ではなく、現在進行形の外交メッセージでもあります。米中という大国同士がどのように過去を語るかは、日本を含む周辺の国や地域の安全保障や経済にも影響しうるからです。
ニュースを読み終えた後、次のような問いを自分に投げかけてみるのも一つの方法です。
- 自分が知っている第2次世界大戦の物語は、どの国・どの立場から語られたものか
- 異なる立場の記憶を知ることで、対立ではなく協力の選択肢を広げられるか
- 大国同士の歴史認識の発信が、日本社会の議論にどのような影響を与えうるか
在米中国大使館の『Echos of Peace』は、過去の戦争の英雄をたたえる場であると同時に、未来の平和をどうつくるかを問う場でもありました。戦後80年の今だからこそ、歴史をめぐるニュースを、自分の言葉で語り直すことが求められているのかもしれません。
Reference(s):
Echos of Peace event at Chinese Embassy honors heroes of war
cgtn.com








