ガザ飢饉宣言の中、エジプトが人道支援車列を再開 国際社会に何が求められるのか
ガザ地区で飢饉が正式に確認される中、エジプトが人道支援物資の車列を再び送り出しました。封鎖や検問で支援が滞る状況が続くなか、この動きはガザへの物資ルートをどう変えうるのでしょうか。
エジプトが再開した人道支援車列
エジプト国営通信MENAによると、エジプトは今週日曜日、ガザ向けの新たな人道支援コンボイを出発させ、週末にイスラエル側が検問所を閉鎖した後に一時中断していた支援を再開しました。
今回の車列は、エジプト赤新月社が主導する「名誉の供給:エジプトからガザへ」イニシアチブの一環で、ラファからイスラエル側のケレム・シャローム検問所へと向かい、イスラエル当局の検査を受けたのちガザに入る手順をとりました。
積み荷には、ガザで不足が深刻化している基礎的な物資が含まれていました。
- 小麦粉
- 豆類
- パン
- 燃料
- 医薬品
- その他の生活必需品
飢饉宣言:IPCが示した人為的な危機
こうした動きは、国連が支援する機関であるIPC(食料安全保障段階分類)がガザの一部地域で飢饉が発生していると確認してから数日後のことです。IPCは、ガザ全域で壊滅的な飢えと、食料・医薬品・燃料の深刻な不足が続いていると警告しました。
金曜日には、パレスチナ外務省が声明を出し、IPCが現状を人為的な災害と表現したことを受けて、イスラエルによる飢饉の拡大を止めるための決定的な国際行動を求めました。
ガザの犠牲と深刻化する飢餓
ガザの保健当局は日曜日、22ヶ月にわたるイスラエル軍の軍事作戦により、パレスチナ側で6万2686人が死亡し、15万7951人が負傷したと発表しました。
同当局によれば、飢饉と栄養失調が直接の原因となって死亡した人は289人に上り、そのうち子どもが115人を占めています。戦闘による被害に加え、食料にアクセスできないこと自体が命を奪う段階に入っていることがうかがえます。
現在の戦争は、2023年10月7日にハマスがイスラエル南部を攻撃したことをきっかけに始まりました。イスラエル側の数字によると、この攻撃で約1200人が死亡し、およそ250人が人質として連れ去られたとされています。
エジプトの役割と支援ルートのボトルネック
エジプト外務省は先週、戦争開始以降にガザへ届けられた全人道支援物資の7割以上をエジプトが提供してきたと説明しました。これまでに送り出した物資は55万トンを超える一方で、およそ5000台のトラックがラファ検問所のエジプト側で立ち往生しているとも指摘しています。
今回の車列再開は、エジプトがガザ支援の主要な拠点であり続けていることを改めて示す一方、検問所の閉鎖や検査の厳格化が、どれほど物資の流れを左右しているかも浮き彫りにしました。ラファとケレム・シャロームという限られた経路に依存する現在の仕組みは、政治・安全保障上の判断によって容易に滞りかねません。
国際社会に問われる責任と私たちの視点
ガザで飢饉が確認され、人為的な災害とまで評される中で、国際社会には少なくとも二つの課題が突き付けられています。ひとつは、すでに準備されている支援物資を、検問や安全保障上の懸念と両立させながら確実に届ける仕組みを整えること。もうひとつは、戦闘と封鎖が続く限り、飢餓が再生産され続けるという構造そのものにどう向き合うかという点です。
2025年の終わりにあたっても、ガザの危機は数字だけでは捉えきれない現実として続いています。エジプトの新たな支援車列は、その現実の中で何が可能で、何がまだ足りていないのかを考えるきっかけになります。ニュースを追う私たち一人ひとりも、どのような情報に注目し、どのような行動を支持するのかを静かに問い直すタイミングに来ているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








