ウクライナ独立記念日に核施設攻撃の余波 続く戦闘と和平の行方
ウクライナ独立記念日、キーウで式典 「公正な平和」を誓う
ウクライナ情勢をめぐる国際ニュースです。ウクライナは現地時間の今週日曜日、キーウで独立記念日を迎え、ゼレンスキー大統領が演説で「公正な平和」を目指す姿勢を改めて示しました。一方で同じ日に、ロシア側はウクライナによる無人機攻撃で自国の原子力施設が被害を受けたと主張しており、戦争は新たな局面に入っています。
核施設をめぐる新たな緊張
ロシア当局によると、日曜日、ロシア西部クルスク州にあるクルスク原子力発電所がウクライナの無人機攻撃を受け、同発電所の原子炉の出力が急低下したとされています。また、ロシア北西部の大規模な燃料輸出拠点ウーストルガの燃料輸出ターミナルでも大きな火災が発生したと伝えられています。現地の暫定知事アレクサンドル・ヒンシュテイン氏は、これらの攻撃が原子力の安全に対する脅威を生んでいると述べました。
独立記念日スピーチに込めた「公正な平和」
キーウで行われた独立記念日の式典で、ゼレンスキー大統領は自国の独立を守り抜く決意を強調しつつ、最終的な目標は「公正な平和」であると語りました。長期化する戦闘のなかで迎えた独立記念日は、ウクライナにとって、単なる祝祭日ではなく「戦い続ける理由」と「いかにして戦いを終わらせるか」を同時に問う日になっています。
カナダと米国からのシグナル
式典には、カナダのマーク・カーニー首相や、ドナルド・トランプ米大統領の特使キース・ケロッグ氏も出席しました。トランプ氏はウクライナ宛ての書簡で、米国はウクライナの「独立国家としての未来」を信じているとメッセージを送りました。象徴的な独立記念日の場で、主要国の首脳や特使が顔をそろえたことは、ウクライナへの政治的な支援が続いていることを国内外に印象づける狙いがあるとみられます。
和平交渉をめぐるロシアの主張
一方、ロシアのラブロフ外相は日曜日、西側諸国が和平交渉を「妨害しようとしている」と非難しました。また、ロシア側が主張するところでは、プーチン大統領とトランプ大統領によって築かれ、「非常に良い結果」をもたらしてきたというプロセスを、ウクライナ当局が妨げているとしています。これに対しゼレンスキー大統領は、ロシアのプーチン大統領との会談に前向きな姿勢を示しつつも、戦闘が終わった後もロシアの再攻撃を抑止するための安全保障上の確約について、同盟国が合意した後でなければ会談には応じない考えです。
安全保障をめぐる溝
モスクワ側は、こうした安全保障の枠組みについて議論する余地はないとし、ウクライナ国内に欧州諸国の部隊が駐留するような構想は「絶対に受け入れられない」と強い姿勢を示しています。ウクライナ側は安全の確約を求め、西側は支援を続け、ロシア側は自国の安全を理由に条件を突きつけるという構図のなかで、和平への道筋は依然として見通せません。
ノルウェーが防空システム支援を発表
こうした中、ノルウェー政府は日曜日、約70億ノルウェークローネ(約6億9,600万ドル)規模の防空システムをウクライナに供与すると発表しました。ウクライナへの大規模な防空支援は、ロシアによる無人機やミサイル攻撃が続く中で、都市部や重要インフラを守る能力を高める動きといえます。
ロシア国防省「ウクライナのミサイル・ドローン拠点を攻撃」
ロシア国防省は同じ日、ウクライナのミサイルや無人機の関連施設を標的とした攻撃を実施したと発表しました。発表によれば、ウクライナ側の作戦戦術ミサイル「サプサン」の貯蔵施設のほか、無人機の生産工場や倉庫、さらにウクライナ軍部隊の一時展開拠点が合わせて146カ所にわたり攻撃されたとしています。こうした主張の詳細や被害の実態については、現時点で詳細な情報は伝えられていません。
今回のニュースから考えたい三つの視点
- 核施設や燃料拠点への攻撃が続けば、国境を越えた環境リスクやエネルギー供給不安が高まる可能性があります。
- 独立記念日に合わせた各国首脳からのメッセージは、軍事だけでなく政治・外交面での支援の継続を示しています。
- ウクライナが求める「公正な平和」と、ロシアが主張する安全保障上の条件とのギャップが、和平交渉の最大のハードルになっています。
戦闘と外交、軍事支援と和平模索が複雑に絡み合うウクライナ情勢は、2025年の今も国際秩序の行方を左右する重大なテーマであり続けています。私たち一人ひとりが、どのような形の終戦と平和を望むのか、ニュースを追いながら考え続けることが求められています。
Reference(s):
Ukraine marks Independence Day after drone hits Russian nuclear plant
cgtn.com







