イラン最高指導者ハメネイ師「米国はイランの服従を要求」直接対話を拒否
イランの最高指導者アリ・ハメネイ師は、首都テヘランで日曜日に行った演説で、米国がイランに求めているのは「服従」だと批判し、その要求は「侮辱的だ」と述べました。米国との直接交渉を改めて否定し、今年6月13日のイランへの攻撃に言及しながら、国内の結束とマスード・ペゼシキアン大統領への支持を呼びかけています。
ガザでのイスラエルの軍事作戦やイエメンのフーシ派の行動にも触れた今回の発言は、2025年現在の中東情勢とイランの立ち位置を読み解く上で重要なシグナルとなっています。
発言のポイント:米国が求めるのは「服従」
国営メディアIRNAによりますと、ハメネイ師は演説の中で、米国がイランと対立するのは、イランに「従順さ」や「服従」を求めているからだと主張しました。そのうえで、そうした要求は侮辱的であり、イランは抵抗し続けると強調しました。
ハメネイ師は、イランは外部からの圧力に屈しないと繰り返し訴えてきましたが、今回も同様のメッセージを改めて国内外に発信した形です。
米国との直接交渉を改めて否定
ハメネイ師はまた、ワシントンとの直接交渉を求める声を退けました。IRNAによれば、1979年のイスラム革命以降、米国の敵対姿勢は一貫しており、その本質は変わっていないと指摘しました。
その背景には、次のような見方があります。
- 米国との対話は、イラン側の譲歩や体制の弱体化につながりかねないという警戒感
- 長年の対立の歴史が、相互不信を強くしていること
こうした認識がある限り、短期的に米国とイランの首脳レベルでの直接協議が実現する可能性は低いとみられます。
今年6月13日の攻撃と「ポスト・イスラム共和国」構想
ハメネイ師は演説の中で、今年6月13日にイランが受けた攻撃にも言及しました。その翌日、米国と関係があるとされるグループが欧州のある首都で会合を開き、「ポスト・イスラム共和国」の体制について議論したと述べました。
その会合では、君主制を復活させる案まで持ち出されたとし、ハメネイ師は、こうした試みはイランの人々と国家機関の粘り強さによって挫折したと強調しました。
政権転覆を想定した構想が存在したとするこの説明は、外部からの圧力に対抗するために、体制の正当性と国内の結束を強調する狙いがあると受け止められます。
国内結束とペゼシキアン大統領への支持を呼びかけ
ハメネイ師は、イラン国内の団結を訴えるとともに、マスード・ペゼシキアン大統領への支援を求めました。対立勢力や支持層の違いを超えて、現政権を支えるよう呼びかけた形です。
一方で、イランの敵対勢力が国内の分断をあおろうとしていると警告し、外部の圧力だけでなく、内部の分裂も大きなリスクだと位置づけました。国内政治の安定を確保することが、対外関係においても重要だというメッセージといえます。
ガザ情勢とフーシ派への評価:地域情勢へのメッセージ
中東情勢についても、ハメネイ師は明確な姿勢を示しました。ガザ地区で続くイスラエルの軍事作戦を非難し、西側諸国に対してイスラエルへの支援をやめるよう求めました。
さらに、イエメンのフーシ派によるイスラエルへの行動を正当なものだと評価しました。フーシ派の動きに言及したことは、ガザ情勢がイエメンを含む広い地域に波及している現状を改めて印象づけるものです。
今回の発言から読み取れる3つのポイント
今回の発言は、イランの対米姿勢と国内政治、そして中東全体の力学を考えるうえで、次の3点が重要だといえます。
- 米国との関係では、体制レベルの不信が根強く、直接対話よりも抵抗を前面に出す路線が続いていること
- 今年6月13日の攻撃とその後の動きを、体制転覆を狙う試みとして説明することで、国内の結束と体制の正当性を強調していること
- ガザやイエメンをめぐる発言を通じて、イランが地域の政治・安全保障の構図の中で、自らの立ち位置を明確にしようとしていること
2025年の今、中東情勢はガザを中心に不安定な状態が続いており、イランのこうしたメッセージが周辺国や欧米諸国との関係にどのような影響を与えるのか、今後も注視する必要があります。
Reference(s):
Khamenei says U.S. seeks Iran's 'obedience,' rejects direct talks
cgtn.com








