国連80周年、若者が描く『One Home: Shared Future』の世界
2025年、創設80周年を迎えた国際連合(国連)。この節目の年に合わせて、中国の国際メディアCGTNが世界のパートナーとともに若者向けビジュアル企画『One Home: Shared Future』を立ち上げました。国際ニュースの現場を、当事者である若い世代がカメラを通して語ろうとする試みです。
プロジェクトでは、世界中の若者に、人類の未来についての自分なりのビジョンを写真などのビジュアル表現で共有してもらうことが呼びかけられています。そのなかでレンズを通した表現を選んだクリエイターたちの作品を集めた第4弾コレクションが、このほど紹介されています。
国連80周年と「UN@80」が投げかけるもの
国連は80年前の創設以来、平和と安全、持続可能な発展など、国際社会が共有する課題に取り組んできました。この動きを紹介するキーワードとして掲げられているのが『UN@80: A kaleidoscope of beautiful moments in our shared home』というフレーズです。
「共有の家(One Home)」という言葉には、地球というひとつの星に暮らす人類が、国境を越えてつながっているという発想がにじみます。「カレイドスコープ(万華鏡)」は、そのつながりが一様ではなく、多様な色や形を持つことを示しているとも読めます。
『One Home: Shared Future』ビジュアルストーリーテリングとは
『One Home: Shared Future』は、CGTNが世界各地のパートナーと連携して進めるビジュアルストーリーテリング・イニシアチブです。ビジュアルストーリーテリングとは、写真や映像などの視覚表現を通じて物語やメッセージを伝える方法のことです。
このプロジェクトでは、とくに若い世代が主役です。呼びかけの中心となっているのは次のようなポイントだと整理できます。
- 世界中の若者に参加を開き、人類の未来に関する視点を集めること
- カメラなどを使って、自分たちの物語をビジュアルで発信してもらうこと
- 国や地域を越えた対話のきっかけをつくること
第4弾コレクションが映す若者のまなざし
現在紹介されているのは、参加者によるイメージの第4弾コレクションです。参加する若者たちは、それぞれの暮らしや社会の一場面を切り取り、自分たちの「共有の家」をどのように感じているのかを視覚的に表現しています。
作品は、国や地域、文化の違いを背景にしながらも、日常のささやかな瞬間や、未来への静かな願いといった共通したモチーフを帯びていると受け取ることもできます。バラバラに見えるイメージが、並べて見ることでひとつの物語を形づくる――まさに万華鏡のような構成です。
なぜ今、ビジュアル表現なのか
オンラインで国際ニュースに触れることが当たり前になった今、文字だけでは届きにくい感覚や温度を伝える手段として、ビジュアルストーリーテリングの重要性は高まっています。
- 写真や映像は、言語の違いを越えて直感的に理解しやすい
- 複雑な国際問題も、「一人の生活」という具体的なイメージを通じて身近に感じられる
- 受け手としてニュースを見るだけでなく、若者自身が発信者になれる
『One Home: Shared Future』のような取り組みは、国際ニュースを「遠い世界の出来事」から、「自分と地続きの話」として捉え直すきっかけにもなりそうです。
日本の読者にとっての問いかけ
日本でニュースを読む私たちにとっても、「共有の家」という視点は多くの示唆を与えてくれます。気候変動、感染症、格差や紛争など、国境を越える課題の多くは、国連が80年間向き合ってきたテーマでもあります。
もし自分がこのプロジェクトの参加者だったら、どんな瞬間をカメラに収めるだろうか――。身の回りの風景、働く人びとの姿、家族や友人との時間。そうしたひとコマひとコマが、世界のどこかの誰かにとっての「国際ニュース」になるかもしれません。
国連80周年の2025年は、ニュースを読む私たち一人ひとりが、自分の視点で『One Home: Shared Future』を考えてみる年でもあります。画面に映る遠い出来事と、自分の暮らしとのあいだに、どんな線を引き、どんな橋を架けていけるのか。静かに問いを投げかけてくる企画だと言えそうです。
Reference(s):
UN@80: A kaleidoscope of beautiful moments in our shared home
cgtn.com








