米国が800ドル以下の小口荷物の関税免除を終了 国際郵便と越境ECに影響
米国が、これまで800ドル以下の輸入小口荷物に適用してきた関税免除制度を終了しました。2025年12月現在、新ルールは越境ECや国際郵便の現場に大きな影響を与えつつあります。
米国、小口関税免除「de minimis」を終了
米国ではこれまで、800ドル以下の小口荷物については「de minimis(デ・ミニミス)」と呼ばれる少額輸入品の関税免除が認められてきました。この関税免除が、8月29日(金)に終了しました。
米国税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection)は、同日午前0時1分(協定世界時 0401時)から、荷物の価格にかかわらず、すべての国際小包に通常の関税率を適用するとしています。
移行期間は6か月 国際郵便は80〜200ドルの定額関税も
トランプ米大統領の政権当局者によると、今回の制度変更には6か月間の移行措置が設けられています。この期間中、国際郵便ネットワークを利用する事業者は、原産国に応じて1件あたり80〜200ドルの定額関税を選択して支払うことができます。
一方、国際郵便以外のルート(宅配便や民間の物流サービスなど)で送られる輸入品は、価値が800ドル以下であっても、これまでの関税免除の対象とはならず、本来適用されるはずのすべての関税が課されます。
国際郵便で送られる場合も、移行期間以降は、原産国ごとに定められた実効関税率に相当する関税、もしくは1件80〜200ドルの定額関税が課される仕組みです。
中国からの小包向け措置を世界全体に拡大
今回の措置は、トランプ政権が今年前半に、中国から米国へ送られる荷物に対してde minimis免除を撤回した決定を、全ての国・地域からの小包に広げるものとされています。
政権「恒久的な変更」 免除復活の可能性は低い見通し
政権高官は木曜日の記者説明会で、関税免除の終了は「恒久的な変更」だと強調しました。
また、いわゆる「信頼できる貿易相手国」を対象に、関税免除を部分的に復活させる可能性について問われると、「最初から成立の見込みはない」と述べ、免除復活の議論に事実上、否定的な見方を示しました。
万国郵便連合の25か国が対米郵便を一時停止
制度変更をめぐる不透明感は、国際郵便ネットワークにも波紋を広げています。
万国郵便連合(UPU)は火曜日、加盟国のうち25か国が米国宛ての郵便物の発送を一時的に停止したと発表しました。これらの国々は、800ドル未満の輸入品に対する米国側の通関ルールがどのように変わるのか不確実性が高いことを理由に挙げています。
日本の消費者・企業への影響
日本から米国へ商品を送っている個人輸出や越境EC事業者、あるいは米国の通販サイトから商品を購入している日本の消費者にとっても、今回の米国の関税ルール変更は無関係ではありません。
- 800ドル以下の商品でも、米国側で関税が課される可能性が高まる
- 国際郵便で送る場合、原産国ごとの関税率と80〜200ドルの定額関税のどちらが適用されるかで、コスト構造が変わる
- 取引先や物流業者と、関税負担を誰がどのタイミングで負担するのかを事前に確認しておく必要がある
- 一部の国で対米郵便を停止していることから、迂回ルートを利用したり、民間の宅配サービスに切り替えたりする動きが出る可能性がある
これからのポイント:情報更新と契約条件のチェックを
2025年12月現在、米国の小口関税免除の終了からすでに数か月が経過し、6か月の移行期間も折り返し点を迎えつつあります。企業や個人にとっては、次のような点を押さえておくことが重要になりそうです。
- 最新の米国関税率や手続きについて、物流事業者や通関業者から情報を得る
- 通販サイトやプラットフォームの「関税・送料」表示が新ルールに対応しているか確認する
- 米国向けの価格設定に、関税や手数料の上昇分をどう織り込むか検討する
- 顧客に対し、関税負担の有無や金額について分かりやすく説明する
小さな荷物にかかる関税ルールの変更は、一見すると地味ですが、越境ECの価格競争力や国際郵便の利便性を左右しかねないテーマです。制度運用の行方を注視しながら、自社や自分の取引にどのような影響が出るのかを丁寧に見極めていくことが求められます。
Reference(s):
cgtn.com







