米ホワイトハウス、国防総省を戦争省に改称検討 WSJ報道
米ホワイトハウスが、国防総省の名称を戦争省に改める計画を検討していると、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルがホワイトハウス高官の話として報じました。アメリカの安全保障政策を象徴する省庁の名前を変える構想は、国内外でどのような意味を持つのでしょうか。
計画の概要:国防総省から戦争省へ
報道によると、トランプ米大統領の政権は、国防総省の英語名称である Department of Defense を、かつて1947年まで使われていた Department of War に戻す案を検討しています。省名の変更は本来、連邦議会の立法によって実現するのが一般的ですが、ホワイトハウスは別の手続きによる変更も模索しているとされています。
トランプ大統領の2期目が始まった初期の段階で、ペンタゴンは名称変更に向けた立法案の作成に着手したと伝えられています。大統領はこれまでも繰り返し、省名を変えたいという考えを示してきました。
トランプ大統領の発言とねらい
トランプ大統領は最近、ホワイトハウスでの発言の中で、戦争省という旧称の方が響きが強いと語りました。戦争省としての時代にはあらゆる戦いに勝利したとし、名称を元に戻すことで、再び強いアメリカを打ち出したいとの考えをにじませています。
大統領は当時、この名称変更は今後1週間ほどで行われると述べました。発言の真意について政権側から詳しい説明は出ていませんが、省庁名そのものを政治的メッセージとして位置づけている様子がうかがえます。
法的プロセスとペンタゴンの動き
ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、名称復活には議会の承認が必要になる一方で、ホワイトハウスは緊急事態を根拠とした権限の付与など、別の枠組みも検討しているとされています。ある案では、国家非常事態の際に旧称を復活させる権限を議会から得ることが想定されていました。
さらに、国防長官にあたる文民トップの肩書を、かつて使われていた戦争長官に戻す構想も浮上しているといいます。名称だけでなく、役職名も含めて伝統を復活させることで、軍事組織としての性格をより前面に押し出す狙いがあるとみられます。
名称変更がもたらすイメージ
名称が国防から戦争へと変わることは、政策の中身以上に、国内外に対する象徴的なメッセージとなります。安全保障を強調する現在の名前から、戦争そのものを掲げる名前への転換は、アメリカの姿勢変化と受け止められかねません。
- 国内では、軍事力の行使をより積極的に正当化するシグナルと受け取られる可能性
- 同盟国やパートナー国には、アメリカが紛争への関与を一段と強めるのではないかという懸念を与えるおそれ
- 国際社会で多くの国が用いる、防衛や安全保障といった言葉から距離を取る選択として映る可能性
日本とアジアにとっての意味
日本を含むアジアの国々にとって、アメリカの安全保障政策は地域秩序に直結します。省名変更が実現した場合、アメリカの対外姿勢がより攻撃的になったと受け止められれば、周辺国の警戒感や軍拡競争を刺激する懸念も指摘されています。
一方で、名称が変わっても、具体的な同盟条約や運用ルールが直ちに変わるわけではありません。実際に重要なのは、予算の配分、部隊の運用方針、外交との連携といった中身の部分であり、日本としては、名称だけでなく政策全体を冷静に見極める必要があります。
私たちが考えたいポイント
今回の戦争省構想は、ひとつの国の省名の問題にとどまらず、言葉と権力、戦争と平和をどう捉えるかという広い問いを投げかけています。読者として押さえておきたいポイントを三つに整理します。
- 名称が変わることで、政策や世論はどこまで変化するのか
- 戦争という言葉を公的機関が前面に掲げることの是非をどう考えるか
- 大統領と議会の権限のバランスは、今回の議論の中でどのように調整されるべきか
2025年のアメリカ政治では、政策そのものだけでなく、名称やスローガンといった言葉の選び方が大きな争点になっています。戦争省という強い言葉をめぐる今回の動きは、その象徴的な一例と言えそうです。
Reference(s):
White House mulls plans for 'Department of War,' says report
cgtn.com








