ゼレンスキー大統領、パリでウクライナ安全保障保証を協議へ
ウクライナのフォロディミル・ゼレンスキー大統領が今週木曜日、パリで欧州の主要首脳と会談し、ロシアとの和平が成立した場合を見据えた「安全保障保証」について集中的に協議します。たとえ和平が実現しても、将来の攻撃をどう防ぐのかという、ウクライナ危機の行方を左右するテーマです。
パリで開かれる「戦後」安全保障協議とは
ゼレンスキー大統領はパリで、次の各首脳・要人と会談する予定です。
- 欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長
- 北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長
- ドイツのフリードリヒ・メルツ首相
- 英国のキア・スターマー首相
フランスのエマニュエル・マクロン大統領とスターマー首相が協議の共同議長を務め、いわば「有志国」の中心として、ウクライナを将来のロシアによる攻撃からどう守るのか、欧州としての案づくりを進めます。
焦点は「安全保障保証」──NATO加盟以外の選択肢
ウクライナ側が求めているのは、和平成立後にロシアが再び攻撃に踏み切ることを抑止する、強力な安全保障の枠組みです。ここ数週間、西側諸国の外交努力では、次のような案が議論の中心になっています。
- 欧州による平和維持部隊の派遣を含む安全保障保証
- NATO加盟が実現しない場合を想定した、NATO型の防衛保証
ゼレンスキー大統領の側近であるミハイロ・ポドリャク氏は、こうした案について「ウクライナの安全保障保証をめぐる集中的な議論」になると説明しています。
欧州委員会の構想とドイツの慎重論
フォンデアライエン委員長は最近のインタビューで、欧州がウクライナ向けの多国籍部隊の展開について「かなり具体的な計画」を練っていると述べました。これは、紛争後の安全保障保証の一環として、米国の能力も後ろ盾としながら実施する構想だと報じられています。
しかし、この発言に対してドイツのボリス・ピストリウス国防相は「時期尚早だ」と強く批判しました。ピストリウス氏は、フォンデアライエン委員長にはそのような構想を語る正式な権限がないという立場を示し、欧州内でも議論の温度差があることが浮き彫りになっています。
ウクライナ、欧州、ロシアの思惑
ウクライナにとって、西側の安全保障保証は、和平合意の受け入れ条件に直結する重要な要素です。強い保証がなければ、将来の攻撃リスクは残ったままだからです。
一方、ロシアは以前から、ウクライナにいかなる西側部隊が駐留することも受け入れられないと主張してきました。欧州が多国籍部隊や平和維持部隊を検討すること自体が、ロシアとの駆け引きの一部となっています。
欧州側は、ウクライナ危機を終わらせるための和平交渉と同時に、「その後」を見据えた抑止力の設計を急いでいるとも言えます。
私たちが押さえておきたいポイント
今回のパリ協議をめぐっては、次の点が今後の国際ニュースの注目ポイントになりそうです。
- 欧州がどこまで踏み込んだ安全保障保証を打ち出せるか
- 多国籍部隊や平和維持部隊の具体像が示されるか
- ドイツなど慎重な国を含め、欧州内の足並みがそろうのか
- ロシアが欧州の構想にどう反応するのか
ウクライナ危機の「終わり方」だけでなく、「終わった後の秩序」をどうつくるか。その設計図づくりが、今パリで始まろうとしています。
Reference(s):
Zelenskyy to discuss security guarantees with key allies in Paris
cgtn.com








