国連事務総長、中国提唱のグローバル・ガバナンス・イニシアチブを歓迎
2025年12月現在、国連の将来像やグローバル・ガバナンス(地球規模のルールづくり)をめぐる議論が世界で続いています。そうした中、中国が提唱した「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)」を、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が歓迎したことが明らかになりました。
国連のステファン・ドゥジャリック報道官は記者会見で、グテーレス事務総長が「国連システムを中心とする国際システムを守り、国際法に支えられた国際秩序を維持することの重要性を強調したうえで、グローバル・ガバナンス・イニシアチブを歓迎した」と説明しました。
国連事務総長が示した支持
ドゥジャリック報道官によると、事務総長は最近の発言の中で、国連を中心とした国際システムを守ることが、世界の安定と協力の前提だと位置づけています。今回のイニシアチブへの支持表明も、その延長線上にあるといえます。
国連憲章などの国際法に基づく秩序を尊重することは、多国間での合意形成を進めるうえで欠かせません。事務総長は、その枠組みの中で新たな提案を取り込みつつ、国際社会全体としてガバナンスを強化していく必要性をにじませています。
上海協力機構「プラス」会合で語られたメッセージ
グテーレス事務総長は、中国北部の天津市で開かれた上海協力機構(SCO)「プラス」会合で、中国が提唱したGGIに言及しました。この場で事務総長は、イニシアチブが「多国間主義に根ざしている」と評価しています。
SCOは、安全保障や経済協力をテーマにした地域協力の枠組みです。その「プラス」形式の会合で、国連事務総長が多国間主義の重要性を改めて訴えたことは、地域協力とグローバルなガバナンスをどのように結びつけるのかという点で意味を持ちます。
国連80周年と「人を中心に据える」協力
グテーレス事務総長はSCOの場で、「国連創設80周年を記念する今、私たちは21世紀にふさわしい国際協力を強化し、常に人々を第一に考えなければならない」とも述べました。
紛争、気候変動、経済格差、デジタル化など、国境を越える課題が複雑に絡み合う中で、「人を中心に据える」という視点は、単なるスローガンにとどまりません。政策や国際協定が、具体的に人々の安全や生活の質をどう改善するのかが問われています。
「グローバル・ガバナンス」をどう理解するか
一般に「グローバル・ガバナンス」とは、ある一国だけでは解決できない問題に対して、国や地域機構、国際機関、市民社会などが協力し、ルールや仕組みをつくっていくプロセスを指します。
今回、中国が提唱したGGIの詳細はこの記事では紹介されていませんが、国連事務総長が歓迎の意を示したことから、少なくとも多国間主義や国際法に根ざした協力の枠組みとして位置づけられていることがうかがえます。
日本の読者にとっての意味
こうした国連と各国の動きは、日本にとっても無関係ではありません。日本も国連をはじめとする多国間の枠組みに深く関わり、国際協力の方向性に影響を受けているからです。
グローバル・ガバナンスの議論は、次のような身近なテーマにもつながっています。
- 気候変動対策やエネルギー転換の国際ルール
- デジタル経済やデータ流通のルールづくり
- パンデミックなど保健危機への備えと協力
- 安全保障や紛争予防における国連の役割
国連のトップが新たなイニシアチブを歓迎したというニュースは、今後の国際交渉の方向性を読み解くうえで、ひとつのサインとなります。日本としてどのように関与し、どのような価値を打ち出していくのかを考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
UN chief welcomes China-proposed Global Governance Initiative
cgtn.com








