トランプ政権、全米で移民取り締まり強化 軍法務官を判事起用へ video poster
トランプ政権、全米で移民取り締まり強化 軍法務官を判事起用へ
トランプ米大統領による移民取り締まりが続くなか、米政権は全米の都市での取り締まりを一段と強化しようとしています。国際ニュースチャンネルCGTNのジム・スペルマン記者が、現地の動きを伝えています。
何が起きているのか
米政権は、不法入国などを理由とした移民の逮捕件数が増える中で、取り締まり体制を拡充しようとしています。現在の計画では、より多くの都市で連邦当局による取り締まりを実施し、拘束・送還のプロセスを加速させる方針とされています。
その一環として、政権は以下のような措置を進めていると伝えられています。
- 軍の法務官を一時的な移民判事として起用する
- 新たな移民収容施設を開設し、収容能力を増やす
- 移民捜査や逮捕にあたる当局への人員・予算を増強する
軍法務官を移民判事に起用する狙い
軍の法務官は、軍内部の法務を担当する専門家です。今回、これらの軍法務官を一時的な移民判事として起用することで、移民裁判の処理件数を増やし、滞留する審理の渋滞を解消する狙いがあるとみられます。
背景には、逮捕された移民の庇護申請や退去強制手続きが急増し、既存の移民判事だけでは審理が追いついていない現状があります。判決が出るまでに時間がかかれば、収容コストや当事者の不安も長引きます。そのため、政権は司法リソースの増強として軍法務官の投入を打ち出しています。
一方で、軍の法務官がどこまで移民法に精通しているのか、軍組織に属する法務官が民間人のケースを裁くことへの懸念など、制度設計の透明性や適正さが問われる可能性もあります。
新たな収容施設拡大と人権への懸念
政権は、移民の身柄を確保するための収容施設を新たに開設する方針も打ち出しています。逮捕者の増加に対応するため、既存施設では収容しきれない事態を避ける狙いがあります。
しかし、移民収容施設をめぐっては、収容環境の劣悪さや家族の分離など、人権・人道上の課題がこれまでも指摘されてきました。施設の数を増やすだけではなく、どのような基準で運営されるのか、収容期間や医療・教育へのアクセスをどう確保するのかが重要な論点となります。
地元の自治体や住民にとっても、大規模な収容施設の建設は、治安や地域のイメージ、財政負担などに直結する問題です。今後、各地で受け入れをめぐる議論が激しくなる可能性があります。
移民取り締まり強化をめぐる賛否
トランプ政権は、就任以来、厳格な移民政策を打ち出してきました。支持者の中には、治安維持や自国民の雇用保護の観点から、今回のような取り締まり強化を評価する声もあります。
一方で、移民の多くは長年米国に暮らし、地域社会や経済を支えてきた人たちでもあります。強制送還や長期収容が家族やコミュニティに与える影響を懸念する声、人種や出身国による差別的な取り扱いにつながるのではないかと心配する立場も根強く存在します。
移民をどう位置づけるのかは、米国社会のあり方そのものを映し出すテーマであり、今回の取り締まり強化は、今後の政治・選挙を左右する争点の一つになりそうです。
日本の読者にとっての意味
今回のニュースは、米国に関心のある日本の読者にとって、少なくとも三つの視点で考えるきっかけを与えてくれます。
- グローバル化の中で、移民・難民をどう受け入れるかという普遍的な課題
- 安全保障や治安と、人権・多様性の尊重をどう両立させるかという政策上のジレンマ
- 強いメッセージを打ち出す政治リーダーと、それを支持する有権者の心理
日本でも、外国人労働者や留学生の受け入れが拡大する中で、似たようなテーマが、これからより身近な政治課題になっていく可能性があります。他国の動きを遠い国の話として消費するだけでなく、自分たちの社会の未来を考える材料として捉えることが求められます。
トランプ政権による移民取り締まり強化が、米国の都市とコミュニティ、そして世界の移民議論にどのような影響を与えていくのか、今後も注視していく必要があります。
Reference(s):
Trump admin looks to ramp up immigration crackdowns on U.S. cities
cgtn.com








