IAEAトップ「イラン核査察の再開が広範な進展への土台」
2025年12月現在、イランの核問題をめぐる国際ニュースが再び動き始めています。国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は今週月曜日に開かれたIAEA理事会で、イランでの査察を再開することが、より広い合意や進展に向けた「有望な土台」になると強調しました。
「有望な土台」になると強調したIAEAトップの発言
グロッシ事務局長は理事会で、イランの核計画が依然としてIAEAの取り組みの中心にあると述べました。そのうえで、自身がイランとの「不可欠な協力関係」を取り戻すために、これまで絶え間なく、体系的に働きかけを続けてきたと説明しました。
現在も続いている技術的な協議では「進展があった」とし、査察再開に向けた道筋が少しずつ見えつつあることを示唆しました。また、イランとIAEAの協議が成功すれば、「重要な外交協議やプロセスの意義が改めて示される」とも述べ、粘り強い外交が前向きな結果につながり得ると強調しています。
さらに同氏は「まだ時間は残されているが、多くはない。しかし、善意と明確な責任感があれば、前に進むには十分だ」と語り、各当事者に対し、今の局面を逃さずに責任ある対応をとるよう呼びかけました。
6月の攻撃後に協力停止、それでも対話の窓は開いたまま
イランは、今年6月に発生したイスラエルと米国による核施設への攻撃と、イランの核科学者の暗殺を受けて、IAEAとの協力を停止しました。これにより、核施設への査察や監視活動の一部が中断され、国際社会からはイランの核計画の実態が見えにくくなっているとの懸念が高まっていました。
それでもIAEAは、イラン当局との連絡自体は維持しているとしています。完全に対話の窓が閉じられたわけではなく、今回の技術協議の進展も、そうした連絡チャンネルが生きているからこそ生まれたものだと言えます。
イラン外相「新たな枠組みでの合意に非常に近い」
こうした中、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相は土曜日、イランとIAEAが二国間協力の再開に向けた新たな枠組みについて、「合意に非常に近い」段階にあると述べました。
新たな枠組みには、IAEAの査察官がどの施設に、どの頻度でアクセスできるのかといった条件や、情報共有の方法などが盛り込まれると見られます。合意が実現すれば、6月以降途絶えていた協力が再び動き出し、イラン核問題の行方を左右する大きな一歩となりそうです。
なぜイランでのIAEA査察再開が重要なのか
イランでのIAEA査察再開が国際ニュースとして注目される背景には、次のようなポイントがあります。
- 核不拡散体制を支える柱だから:IAEAによる査察は、各国の核計画が平和目的にとどまっているかを確認するための中核的な仕組みです。イランでの査察が機能すれば、核兵器の拡散リスクを抑えるうえで重要な意味を持ちます。
- 中東地域の緊張緩和につながる可能性:査察を通じた透明性の向上は、周辺国が抱く不信や不安を和らげる材料になり得ます。逆に、査察が行われない状態が長引けば、地域の安全保障環境が不安定になるおそれがあります。
- 外交交渉全体の「試金石」になる:IAEAとイランの協力再開は、関係国が関わるより広い外交プロセスにも影響を与えます。ここで信頼を少しでも積み上げられるかどうかが、今後の交渉の雰囲気を左右しそうです。
これからの注目ポイント
今回の動きがどこまで実を結ぶのかを見通すうえで、今後の注目ポイントを整理しておきます。
- IAEAとイランが合意を目指す「新たな枠組み」の具体的な中身がいつ示されるのか。
- 査察の範囲や頻度、情報公開のレベルなど、透明性がどこまで確保されるのか。
- 6月の攻撃と暗殺をきっかけに損なわれた信頼を、双方がどのような形で回復しようとするのか。
- 他の関係国がこのプロセスをどのように支え、あるいは影響を与えていくのか。
グロッシ事務局長が述べたように、「時間は多くはない」が「善意と責任感」があれば前進は可能だとされます。2025年の年末に向けて、イランとIAEAの協議が核不拡散と地域の安定にどうつながっていくのか、引き続き注視が必要です。
Reference(s):
IAEA chief highlights importance of restoring IAEA inspections in Iran
cgtn.com








